オーケー、止められない生鮮DBをAlloyDBへ移行 ネットスーパーと基盤を統一

2026年10月7日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 ディスカウントスーパーのオーケーは、ネットスーパー用と店舗の生鮮業務用の二つの基幹データベースの移行先を、Google Cloudの「AlloyDB」に統一した。移行はKDDIアイレットが支援した。10月5日、Google Cloudが公式ブログで公開した。システムを止められない生鮮のデータベースは、移行支援サービスで差分データを継続して書き込む方式を取り、ダウンタイムを最小限に抑えた。今後は、AIによる検索や自然言語でのデータ活用を進める。

 オーケーは関東と関西に180店舗以上を展開し、2020年にGoogle Cloudを使い始めた。オンプレミスのデータウェアハウスをBigQueryに移し、2021年にはネットスーパーを始めた。会員向けのスマートフォンアプリも、Firebaseで短期間に作った。こうした取り組みの一方で、システムの中心にある2つのデータベースの刷新が課題になっていた。

 一つ目のネットスーパー用は、将来の法人利用も視野に入れ、増えるトランザクションに対応できるスケーラビリティと、インフラ運用コストの最適化が求められた。他社のクラウド上で稼働し、データが各システムにサイロ化しており、分析基盤やAIと連携して、顧客にリアルタイムで個別の提案をする目標があった。二つ目の生鮮用は、各店舗のマスター情報や仕入れ、棚卸し、販売実績を蓄積し、全店舗からの参照や帳票出力を担う。止められないシステムで、長年のオンプレミス環境から脱却するにあたり、新旧が並存する間のデータの一貫性と、現場の業務に影響する一斉停止の回避が問われた。

 オーケーは、基本方針の決定からネットワークの構築、概念実証(PoC)、データ移行、本番切り替えまでをKDDIアイレットに依頼した。Google Cloudの導入支援と運用最適化の実績を評価した。両社は二つのデータベースの移行先を統一し、AlloyDBを共通基盤にした。KDDIアイレットの齋藤寛隆氏は、選定理由を5点挙げる。止められない業務を支える99.99%のサービスレベル契約(SLA)と約15秒のフェイルオーバー、標準的なPostgreSQL比で4倍以上のトランザクション処理性能、オートバキュームなどの自動化による運用負荷の削減、すでに使うBigQueryとの親和性、移行支援ツールの充実だ。

 移行では、オンプレミスのデータセンターや他社クラウドとGoogle Cloudを、Partner Interconnectの専用線で結び、インターネットを経由しない閉域網にした。ネットスーパー用は一部データの移行で、システムを止められたため、既存のPostgreSQLからエクスポートし、AlloyDBへインポートした。生鮮用は止められないため、「Database Migration Service(DMS)」を使い、従来のデータベースのトランザクションログから差分を解釈して、新しいデータベースに継続して書き込んだ。クエリを発行しないため、稼働中のデータベースへの負荷を抑えられ、差分だけを転送して、切り替え時のダウンタイムを極小化できると判断した。スキーマ変換はDMSの機能とGeminiの変換提案で効率化し、DMSが対応しない日本語のカラム名は、英数字の仮テーブルを経由して、移行後に再設定した。移行後のデータはGoogle Cloudの検証ツールで確認した。

 BigQueryとの連携には「Datastream」を使い、セキュアな通信を保ったまま、AlloyDBからBigQueryへほぼリアルタイムにデータを連携できるようになった。従来、生鮮の現場では、担当者が独自のツールでデータベースからデータを抽出し、手作業で表計算ソフトの集計や状況の確認をしていた。新たな基盤では、BigQueryに生鮮のデータを集約し、天気情報や人流データ、客数予測といった外部データと掛け合わせることが可能になった。店舗の売り上げ情報を即座に反映して製造の推奨数を算出し、生鮮領域のロス削減と売り上げ拡大に向けた合理化を図る。

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システム構成

 データ活用を定着させるため、AIをエージェント化し、自然言語でデータを使える取り組みも始めた。少子高齢化による人手不足への対応も狙う。商品検索では、従来のキーワード検索で見つけにくかった「コレステロールが気になる人向けの油」といった問いにも、AlloyDB AIで意味や文脈を汲んだ検索や類似商品の提案ができるようにしていく。

 IT本部の荒川健児副本部長は「デジタル上で店舗の商品を見つけやすくすることは、顧客体験を向上させ、売り上げを伸ばす意味でも重要だ。今後もKDDIアイレットやGoogle Cloudのサポートを受けながら先進的なITを活用し、顧客に提供する価値を高め続けていきたい」と話している。

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