クラシル、SaaS・IT資産の台帳を集約 管理ツール費用24%減、構築は約1カ月

2026年10月7日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 クラシルは、複数のツールに分散していたSaaSと従業員、IT資産の台帳を、情シスAI「zooba」のSaaS・IT資産管理に移した。2026年8月に本番運用を始めた。10月6日、zoobaが事例を公開した。台帳は3つから2つになり、SaaS管理ツールの費用は24%減った。同社は約2年前からzoobaのAIヘルプデスクを使っており、同じ基盤に資産情報を載せた。

 クラシルは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の取得や上場の準備のため、約4年前に「誰がどのSaaSを使っているか」の管理を始めた。その後、管理する対象は従業員の情報や貸与する端末、退職時のアカウント停止にまで広がり、それぞれ別のツールで管理していた。AIを前提に仕事を進めるようになり、台帳の置き場所が重要だと考えた。AIが読みやすい台帳を作る必要があり、すでにAIヘルプデスクをzoobaで使っていたため、同じ基盤に資産情報も載せることにした。

 移行で最も不安だったのは、今までできていたことができなくなることだった。特に、Google Workspaceのマルチテナント対応は必須で、API連携できるSaaSが、契約中のSaaSと合っているかも確認が必要だった。管理中のSaaSの一覧をzoobaのカスタマーサクセス担当に共有したところ、翌日ごろには対応の可否が返ってきた。ほとんどが対応可能で、不安はなくなった。

 移行では、既存環境の機能と自動化している処理、ツール間の連携を洗い出し、zoobaの機能と一つずつ照らし合わせた。作業をタスクに分けて進め、トライアルを含め4月から6月の数カ月を使い、zooba側での構築作業は約1カ月、ほぼ1人で終えた。詰まった点もある。Figmaとの連携は、ヘルプセンターの説明だけでは分からず、ミーティングを設けて進めた。内製の管理ツールが多く、本番と検証など複数のデータを手動のCSV連携で扱うため、最初の型を決めるのに時間がかかった。退職者のデバイス情報をCSVで更新した際、想定どおりにならないケースがあったが、zoobaに伝えると約2時間で修正された。開発とサポートの対応の速さも、zoobaを選んだ理由だ。

 2026年8月に本番運用へ切り替えた。事例の取材時点では、切り替えから約20日が経過し、問題なく運用できている。SaaS管理ツールの費用は24%減り、3つに分かれていた台帳は2つになった。似た用途のツールごとに取っていた予算をまとめ、費用も抑えられると説明すると、社内の決裁はほとんど苦労せずに進んだ。

 利用は情報システム部門の外にも広がった。内部監査の部長に画面を見せると「以前より見やすい」と評価され、自分からアカウントを求めた。内部監査には読み取り権限を付与した。誰がどのSaaSを使い、どんな権限を持つかを内部監査側で確認できるようになり、これまで情報システム部門に依頼していた証憑やユーザー一覧も、自分たちで確認できる場面が出てきた。その場で、総務が使う業務システムとの連携にも話が及び、約10分後には接続して確認した。退職者のアカウント削除の効率化につなげる。

 AIヘルプデスクも資産情報を参照する。検証では、「自分はZoomのアカウントを持っているか」と尋ねると保有状況を回答した一方、ほかの従業員について尋ねても、その人の情報は回答しなかった。この挙動を検証したうえで運用している。今後は、アカウントの変更権限や参照権限をさらに細かく制御できる機能を求めており、設定をカスタマイズして使い込む段階に入る。

 経営管理本部情報システム部の山田裕貴セクションマネージャーは「最低限、今までやっていたことができないと困る。契約中のSaaSを一覧にして共有し、対応の可否を事前に確認できたので、安心して移行を進められた。本番へ切り替えた後も、特に問題なく運用できている」と話している。

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