サントリーパブリシティサービスは、全社的な業務改革を推進するため、ドリーム・アーツの業務デジタル化クラウド「SmartDB」を採用した。3月24日、ドリーム・アーツが発表した。2025年12月から本格利用を開始しており、入退社関連の申請業務を一元化したことで、バックオフィスにおける確認作業の時間を短縮した。今後は現場主導でのデジタル活用を広げ、より価値創出に集中できる組織への変革を目指す。
サントリーパブリシティサービスは、全国の企業・文化施設の運営やブランドマーケティングなど多角的に事業を展開している。事業領域の拡大に伴い組織全体の業務が複雑化していたことから、2024年より全社改革プロジェクトを始動。社員一人ひとりがデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組める環境整備を進めてきた。
改革において特に優先度が高かったのが、入退社手続きの見直しだ。同社には受付スタッフや工場見学案内係など多様な職種があり、短期やスポットの雇用も多いため、入退社に伴う事務負担の軽減が急務となっていた。また、人事や総務、経理など複数の部門にまたがる手続きの複雑さも課題だった。そこで、人事を起点にタスクを自動で割り振り、一元管理できる仕組みの構築を検討。将来的な拡張性も考慮し、SmartDBの採用を決めた。
製品の選定にあたり、主に四つの点を評価した。一つ目は、職務や部署ごとに閲覧範囲を厳密に制御できる柔軟な権限制御機能だ。機微情報を扱う上で、画面のエリアごとに権限を設定できる点が評価された。二つ目は既存システムとの連携性である。基幹人事システム「COMPANY」から基礎情報を取り込み、SmartDB側で追加入力や編集制御を行う運用が可能である点が決め手となった。
三つ目は、ノーコード開発による内製化のしやすさだ。現場主導の改善を重視する同社にとって、非IT部門でも開発できる点は大きな利点だった。四つ目に、ドリーム・アーツが過去に類似の業務改善を支援した実績があり、実現性の高さに確信を持てたことも後押しとなった。当初はベンダー主導の構築を想定していたが、社内のデジタルスキル向上を見据え、最終的には内製化を目指す方針で導入を進めた。
導入の結果、従来は最大17種類に分かれていた入退社関連の申請が1つに統合された。これにより確認作業の時間が短縮されたほか、入力ミスの防止や管理工数の削減にもつながっている。進捗が可視化されたことで関係部門の連携がスムーズになり、申請や記入の漏れも減少した。
今回のプロジェクトは、人事や総務といった非IT部門が主体となって課題解決に取り組む「デジタルの民主化」を通じて実現した。構築の過程で現場のデジタルスキルが向上し、内製化を継続できる体制が整いつつある。ドリーム・アーツの伴走支援により、現場メンバーの間で自ら業務改善に挑戦する前向きな意識が醸成されたことも成果の一つだとしている。
サントリーパブリシティサービス管理本部の井高裕善氏は、「全社的な業務改革を進める上で、業務プロセスの標準化と社員がデジタルを活用できる環境づくりは重要なテーマだ。SmartDBで開発した入退社手続きはその第一歩であり、煩雑な業務が整理され、連携しやすい仕組みが整いつつある。現場メンバーが自ら改善に挑戦する姿勢が見えてきたことも、大きな成果の兆しだと考えている」と述べている。