消費者庁は、ウェブサイトをはじめとする14システムをガバメントクラウドに移行した。5月21日、移行を支援した富士ソフトが発表した。システム運用コストの最適化や、セキュリティの強化を実現したという。
2022年12月にデジタル庁から「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」が発表されたことを受けて、消費者庁は既存システムをガバメントクラウドに移行する方針を決定。合わせて、消費者庁の端末から利用していた職員向けサービスをデジタル庁が提供する政府共通の標準的な環境であるガバメントソリューションサービス(GSS)に切り替えることになった。23年2月、移行に関する調達を行い、4月に富士ソフトを事業者として選定した。
移行プロジェクトでは、ガバメントクラウドへの移行とGSSへの接続で発生するネットワークや端末の切り替えについて、作業進捗を的確に把握・管理し、作業同士の整合性を取りながら進行したという。その上で、複数のシステムのクラウド基盤やアプリケーションの構成を共通化したほか、AWSのサーバーレス・マネージドサービスを活用することで、各タスクの作業期間の短縮を図ったとしている。移行プロジェクトは6カ月で完了した。
ガバメントクラウドへの移行に伴い、サーバーレスコンピューティングを活用したクラウドネイティブなシステム構成に刷新したことで、常時リソースを最適化できるようになり、運用コストの削減を実現したという。また、BCP対策では、14システムそれぞれの特性に応じて定期的にバックアップを作成、復旧する「バックアップ&リストア」方式と、DR環境に切り替え用のサーバーを起動しておき障害発生時に切り替える「パイロットライト」の二つの方式を採用することで、可用性を確保した。
セキュリティについても強化したとしている。関連する法令・ガイドラインなどに則って設計するとともに、デジタル庁が提供するガバメントクラウドのセキュリティテンプレートを適用したほか、AWSが提供するマネージドサービスから最適なセキュリティサービスを選定してシステム構築や運用設計に取り込んだ。