山口FG、IBMの「SAIL」で勘定系システムを統合 3銀行の基盤集約で経営効率化へ

2026年2月13日18:10|ニュースCaseHUB.News編集部
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 山口フィナンシャルグループ(山口FG)は、グループ傘下の3銀行が個別に運用している勘定系システムを一つに統合する。システム基盤として、日本IBMが提供する金融機関向け基盤ソフトウェア「SAIL」を採用した。2026年2月13日、日本IBMが発表した。マルチバンク仕様のプラットフォームを活用することで、山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行の3銀行体制を維持したまま運用を効率化し、グループ経営の一体化を加速させる。新システムの稼働開始は2029年1月を予定している。

 山口FGは設立以来、グループ内でシステムや業務プロセスを共通化する「マルチバンク・シングルプラットフォーム」を推進してきた。これまで周辺システムを中心に統合を進め、重複業務の削減やコストの最適化を図ってきた経緯がある。しかし、銀行業務の中核を担う勘定系システムにおいては、依然として各行ごとにアプリケーションやサーバーが独立して稼働しており、運用管理の面でさらなる効率化の余地が残されていた。

 今回の刷新では、日本IBMのSAILを採用し、これまで独立していた3行のシステム環境を全社共通の基盤へ集約する。SAILは複数の銀行を一元的に管理できるマルチバンク機能を備えており、各行のブランドや個別の顧客対応を維持しながら、裏側のシステム構成を共通化できる点が特徴だ。山口FGは、この特性を生かすことで、システム維持管理費の抑制やオペレーターの人件費といった固定費の低減を目指す。

 導入の効果として、業務処理における開発生産性の向上も見込んでいる。システムを一本化することで、新サービスの導入や法改正への対応を一括で実施できるようになり、変化の激しい金融環境への迅速な対応が可能になるという。また、将来的に新たな金融機関がグループに参画する場合でも、既存のプラットフォームを活用することで、迅速かつ低コストでシステムの共同利用を開始できるとしている。

 山口FGは、今回のシステム統合によって創出された投資余力を、さらなるデジタル活用や顧客サービスの向上といった成長分野へ振り向ける。既存のシステム共同化の枠組みを超え、グループ全体の経営効率を最大化することで、地域金融機関としての競争力を高めていく考えだ。

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