日本郵船、グループ350社の会計基盤を統合 迅速な意思決定とシステム内製化を推進

2026年2月16日20:49|ニュースCaseHUB.News編集部
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 日本郵船は、会計基幹システムの「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」への移行に伴い、周辺システムとの連携を支える拡張開発を実施した。システムの導入を支援した伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が、2月16日に発表した。グローバルでの迅速な意思決定を可能にする経営基盤を構築し、2025年7月から安定運用を継続している。

 日本郵船は、激化するグローバル競争や変化の激しい経営環境に対応するため、データに基づく迅速な意思決定を可能にする経営基盤の構築を進めている。その一環として、グループ350社の会計システムをSAP S/4HANA Cloud Public Editionに統合。財務や会計における主要機能の標準化に取り組んでいる。

 今回のプロジェクトでは、システムの標準機能を最大限に活用する「Fit to Standard」の方針を堅持し、標準機能でカバーできない領域は、周辺や外部アプリケーションとの連携により補完する全体設計を採用した。CTCはこのうち、クラウド基盤の「SAP Business Technology Platform(SAP BTP)」を活用した、大規模なシステム連携と拡張開発を担った。

 開発にあたっては、プログラミング言語にJavaを採用した。これにより、SAP特有の専門スキルに依存しない開発体制を構築。SAPシステムの経験がないエンジニアでも拡張開発や運用保守に参画できる環境を整えた。特定の製品やベンダーに依存しない技術基盤を確立することで、日本郵船のシステム子会社であるNYK Business Systemsの将来的な内製化を支援し、運用効率の大幅な向上に寄与した。

 プロジェクトには複数のパートナー企業が参画した。日本郵船がシステム刷新の方向性と標準化方針を決定し、シグマクシスが導入計画の策定や業務プロセスの変革、プロジェクト推進を主導。SAPジャパンは標準機能と拡張ニーズへの対応を支援した。CTCは、自社のSaaS型ERP導入支援サービス「Figues」での実績を活かし、本体導入を担当するシグマクシスと密に連携。複雑な要件調整や設計を円滑に進めることで、並列型の開発体制でありながら全体最適を保ったプロジェクト推進を実現した。

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統合基幹業務システムと拡張開発基盤の連携イメージ

 本拡張開発では、柔軟性と品質を両立する手法を導入し、本番稼働に向けて検証と調整を重ねた。重要な工程にはCTCのERP有識者を配置し、品質確保と進行管理の両面を支える体制を敷いた。その結果、多数の周辺システムが連携する大規模な開発でありながら、高い品質を確保し、顧客満足度の高いシステムとして稼働を開始した。今後、日本郵船は構築した経営基盤を活用し、中長期的なAI活用も視野に入れたデータ駆動型の経営を加速させる考えだ。

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