車いすバスケットボールチームの神奈川VANGUARDSは、競技力向上を目的に定量的な「データ分析」の取り組みを開始した。2月16日、データ分析支援を行うデータアナリティクスラボが発表した。スタッツデータや動画解析を活用した定量的な分析を強化することで、チーム力の向上や選手個人の能力向上を目指す。
神奈川VANGUARDSは、6度の日本選手権優勝を誇る国内トップクラスの車いすバスケットボールチーム。1973年に創立されたパラ神奈川SCを前身とし、数多くの日本代表選手を輩出してきた。現在は、世界レベルの競技力醸成と地域貢献活動を両立するチームづくりを進めている。
同チームではこれまで、専任のアナリストが映像を用いた分析を行ってきたが、その内容は主として「定性的」なものにとどまっていた。一方で、さらなる進化のためには客観的な数値に基づく「定量的」な分析活動の強化が課題となっていた。
こうした背景から、特定の技術領域や産業の研究活動を行うラボチームを擁するデータアナリティクスラボとの連携を決めた。同社が持つ分析技術やノウハウを競技現場に活用することで、これまで取り組めていなかった高度なデータ活用を実現する。
具体的な支援内容は、スタッツデータのさらなる活用を可能にする分析基盤の構築と可視化だ。さらに、試合や練習の映像からトラッキングデータを生成し、戦術評価を視野に入れた定量データへの拡張も行う。これにより、スタッツからチームや選手個人の課題を特定しやすくする環境を整える。
神奈川VANGUARDS球団代表の西村元樹氏は、「試合スタッツや映像データを活用し、競技現場で本当に使える分析のあり方をテクノロジーと対話しながら共創している。データを導入すること自体が目的ではなく、選手一人ひとりの成長やチームの意思決定を後押しする武器としてどう活かせるかを重視したい。挑戦を続けるプロセスそのものに価値があると考えており、競技の可能性を広げていきたい」としている。
また、同チームアナリストの時末捷司氏は、「数値による定量的な分析は、チームや選手が適切な判断を行う上で非常に重要な要素だ。データを用いることで我々のバスケットボールがより面白く、魅力的になることを期待している。今回の取り組みが車いすバスケットボール界における先進的なモデルとなり、競技の発展に寄与できるよう進めていきたい」と話している。