大阪ガスマーケティングは1月23日、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)の「生成AIボイスボット」を活用した自動音声応対サービスの試験運用を開始した。顧客が電話で問い合わせする際の利便性を高め、顧客満足度向上を図る。2025年4月からの本格運用を目指す。
大阪ガスのコンタクトセンター業務を受託運営する大阪ガスマーケティングは、オペレーターによる電話受付だけでなく、インターネットやチャットでの受付対応、音声自動応答ソリューションの導入など、顧客サポート体制の拡充に努めてきたという。今回の取り組みもその延長上にあり、事前に設定したシナリオで対応する従来の音声自動応答ソリューションに加えて、シナリオレスで応対できる生成AIを活用することで、顧客からの問い合わせにより柔軟に対応できる仕組みを整備する。
生成AIボイスボットによる自動音声応対サービスは、大阪ガスマーケティングが用意したFAQを学習し、顧客からの問い合わせに対して適切な回答を生成、音声で返答する。顧客は待ち時間なくスムーズな問い合わせ対応を受けられるようになり、自動応答での自己解決率向上も見込まれるという。試験運用に先立ち、問い合わせ内容の認識制度や回答精度の向上、未解決時のオペレーターへの転送フローの整備などにも取り組んだとしている。
1月23日からは「スマイLINK」に関する問い合わせに、この自動音声応対サービスを活用している。スマイLINKは、大阪ガスが厳選した事業者と連携してネットショッピングや医療、家事代行などのサービスを提供するデジタルプラットフォーム。自動音声応対サービスは、サービス内容の説明から契約申し込み、解約などに関する問い合わせまで、スマイLINKに関わる問い合わせ受付業務全般をカバーする。
試験運用終了後の25年4月以降は、スマイLINKサービス以外のサービスにも生成AIボイスボットによる自動音声応対サービスの利用を拡充したい考え。利用状況の分析や継続的な品質改善に取り組むほか、「NTT Comの独自技術で最適化した音声認識、AIエンジン、音声合成機能と大阪ガスの業務手配システムを連携させ、将来的には電話応対から受付内容の手配までの全業務プロセスの自動化実現を目指す」としている。