コクヨは、仙台市に竣工した最新鋭の物流拠点「東北IDC」に、統合型マテハン制御システム「ユニバーサルWCS」を中核とした次世代マテハンシステムを採用した。3月17日、システムを納入する日立製作所が発表した。複数メーカーの設備を統合制御することで、拠点全体の生産性を主要3拠点の平均値と比較して約40%向上させる。2026年10月末の運用開始に合わせてシステムも稼働する予定だ。
オフィス通販「カウネット」や購買管理サービス「べんりねっと」を中心とするビジネスサプライ流通事業の成長に伴い、コクヨは東北と北海道エリアの物流ネットワークを強化している。その中核拠点となる東北IDCには、最大27万SKUに及ぶ膨大な品揃えと、迅速な出荷対応力が求められていた。
こうした背景から、オーダーの処理順序や搬送ルートを作業状態に応じて最適化する搬送計画最適化エンジン「LogiRiSM」や、複数設備を一元的に制御するユニバーサルWCSを導入する。通常、マテハン設備の制御システムはメーカーごとに独立しているが、ユニバーサルWCSが上位システムとして機能することで、異なるメーカーの設備が混在する環境でもリアルタイムな状況把握と作業全体の最適化が可能になるという。
保管・ピッキング工程には、国内で初めて本格導入されるHAI ROBOTICSのGTP(Goods to Person、ロボットなどが商品を保管棚ごと作業者の手元まで自動で運んでくる
ピッキング方式)システム「HaiPick Climb System」を採用した。このシステムは、ロボット自体が昇降機能を持つため、倉庫の高い天井高を最大限に活用した高層ラックでの保管ができる。これにより、限られた床面積で圧倒的な保管容量を確保する高密度保管を実現した。210台投入されるロボット「HaiClimber」は、最大で毎時3200箱の搬送能力を持つ。
さらに、ピッキング工程では商品の物量特性に応じ、作業員に場所と数量を指示する「DPS」とGTPを組み合わせたハイブリッド構成を採用した。従来、これらの連携を固定式のコンベヤで行うと動線が複雑化し、スペース効率や構築コストに課題が生じていた。東北IDCでは、搬送ルートの自由度が高い無人搬送車(AGV)を活用することで、レイアウトの柔軟性を確保し、物理的な制約を解消する。
ユニバーサルWCSがこれらの多様な設備を一元管理することで、入庫から保管、梱包、検品、出荷仕分け、棚卸にいたるまで、各工程がシームレスに連携する高効率なオペレーション環境を構築する。作業者が商品を探して歩き回る必要がない定点ピッキングの実現により、移動時間を大幅に短縮し、省人化と生産性向上の両立を図る考えだ。