福島鰹、だし文化普及を目指しAIチャットボットを活用

2025年4月16日16:20|ニュースCaseHUB.News編集部
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 福島鰹は、だし文化の普及と顧客の利便性向上を目的に「だしAI」を開発した。4月16日、だしAIを開発した80&Companyが発表した。

 福島鰹は、京都で100年以上の歴史を持つ食品メーカーとして、これまで主に業務用商品を飲食店向けに展開してきた。コロナ禍を契機に一般消費者向けEC販売を強化し、2024年からはだしに特化した自社ECサイト「だしナビ」を運営している。事業環境の変化に伴い、一般消費者からも業務用製品の品質が評価される一方で、「だしは難しい」「使い方が分からない」といった声が多く寄せられていた。こうした背景から、だしに関する知識へのアクセスを容易にし、だし文化のハードルを下げることが課題となっていた。

 福島鰹は、だしに関する専門知識をより多くの人に届けるため、AIチャットボットの導入を検討。80&Companyが開発を担当し、生成AIアプリケーション開発プラットフォーム「Dify」を活用し「だしAI」を構築した。Difyは柔軟なUI設計や外部データ連携、回答のチューニングが可能であり、短期間かつ低コストでの開発を実現した。だしAIは、福島鰹が長年蓄積してきただしの知識やノウハウをベースに、FAQや商品データ、レシピ情報をもとに回答生成ロジックを設計。ユーザーが日常的に抱える「だしの選び方・使い方」に関する悩みに即時で応答し、最適な商品やレシピを提案するサービスとなっている。

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だしAIの利用イメージ

 開発ではプロ向けに感覚的に説明していた内容を、個人にも分かりやすく言語化する点に苦労があった。情報のテキスト化を進め、今後はユーザーからの入力内容をもとに説明方法や情報のアップデートを図る。AIの回答内容も、企業イメージや信頼性を損なわないよう細かくチェックし、不適切な出力を抑制するチューニングが施された。

 だしAIの導入で、ユーザーはだしに関する幅広い質問に気軽にアクセスできる。冷蔵庫の材料を入力すれば、だしを使ったレシピ提案も受けられる。これらで、日常生活へのだしの取り入れを促進する効果が期待される。福島鰹は、だしAIが自社製品の販売促進だけでなく、だし全般に関する汎用的な知識提供ツールとして活用されることを重視している。福島鰹は、だしAIを通じて顧客満足の向上を最優先としつつ、だしを使う人が増えることで和食文化や食育への貢献につなげたいと考えている。

ニュースリリース


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