タダノ、AI基盤でグループの知を集約 M&Aシナジー最大化と調達最適化へ

2026年3月23日15:44|ニュースCaseHUB.News編集部
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 タダノは、グループ全体での部品統合と調達最適化を目的に、製造業AIデータプラットフォーム「CADDi Drawer」のグローバル活用を開始した。3月23日、同プラットフォームを提供するキャディが発表した。欧州や米州を含む国内外の主要拠点へ導入を拡大し、M&Aによる成長シナジーの最大化を目指す。国内拠点での先行活用では、部品検索時間を30分から5分へと大幅に短縮するなどの成果を確認しており、今後は世界規模での業務効率化と技術伝承の基盤構築を加速させる。

 建設用クレーンなどのリフティング・イクイップメント(LE)分野で世界大手のタダノは、近年積極的なM&Aを展開し、海外売上比率は6割を超えている。一方で、買収によってグループに加わった企業間でデータ管理手法が異なり、情報が散在する「知のサイロ化」が経営課題となっていた。組織ごとに部品番号や図番が異なるため、重複在庫の発生や購買コストの最適化を阻む要因となっていた。

 こうした課題を解決し、ベテランからの技術伝承やグローバル競争力の強化を推進するため、同社はキャディとの取り組みを開始した。まず国内拠点でCADDi Drawerを導入し、経験や知見の資産化とデータへのアクセス性向上に着手。その結果、部門間での情報共有が活性化し、図面や部品の検索性が飛躍的に向上した。担当者の経験値に頼っていた検索業務が従来の6分の1の時間で完了できるようになるなど、明確な業務改善効果が得られたことから、今回のグローバル展開を決めた。

 グローバルでの活用において、AIが膨大なデータを瞬時に比較・特定する機能を活用する。これにより、国をまたいで点在する類似部品の特定を容易にし、重複在庫の削減や最適なサプライヤーへの購買集約を実現する。タダノはキャディを変革のパートナーと位置づけ、収益性の向上を図るとともに、AIの活用で創出した時間を社員の創造的な業務に充てることで、挑戦的な企業風土の醸成につなげる。

 将来的には、CADDi Drawerが言語の壁を越えて国内外の拠点を横断するコミュニケーションの窓口となることを目指す。同プラットフォームを核としてグループ全体の知を集約し、LE世界No.1という目標に向けた経営基盤を強固にする。

 タダノ代表取締役社長兼CEOの氏家俊明氏は、グローバルな競争力強化のためにM&Aを進めてきた裏側で、グループ各社間に技術情報が散在する知のサイロ化が深刻な課題だったと指摘する。その上で、課題解決の起爆剤としてCADDi Drawerに期待しており、膨大なデータを瞬時に比較することでM&Aのシナジーを最大化させたいとしている。また、キャディにはこのDXプロジェクトを強力にリードし、グループ全体の知を集約する核となることを期待すると述べている。

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