auじぶん銀行、巧妙化する不正送金を抑制 ラックの検知サービスで取引監視を高度化

2025年12月24日11:49|ニュースCaseHUB.News編集部
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 auじぶん銀行は、インターネットバンキングにおける不正送金対策の強化を目的に、ラックが提供する「AIゼロフラウド」を採用した。12月24日、同ソリューションの開発・提供を行うラックが発表した。AIによる高精度な検知機能を活用し、不正送金のリスクが高いと判断された振込をリアルタイムで特定して一時保留や追加認証を行う。巧妙化する金融犯罪の手口への対応力を高め、顧客の利便性と安全性の両立を図る。

 auじぶん銀行は、スマートフォンアプリをメインチャネルとして預金や送金、決済、融資などの多様な金融サービスを展開している。デジタルを駆使した顧客視点のサービスを重視する中、インターネットバンキングを狙った金融犯罪の巧妙化が大きな課題となっていた。利用者の資産を守るため、最新のテクノロジーを活用した不正送金対策の高度化が急務だった。

 従来の不正検知システムは、あらかじめ設定した特定の条件に基づいて取引を判定する「ルールベース型」が主流だった。しかし、金融犯罪の手口は日々変化しており、固定的なルールのみでは新しい不正パターンへの迅速な対応が難しく、巧妙な攻撃を見逃してしまうリスクを抱えていた。そこで、金融犯罪対策の専門知識と最先端のAI技術を融合させ、未知の不正パターンにも柔軟に対応できるAIゼロフラウドの採用を決定した。

 AIゼロフラウドは、過去の膨大な取引データから不正な挙動をAIが学習するのが特徴だ。加えて、金融犯罪対策センターが収集する最新の犯罪情報をシステムに取り込み、継続的にアップデートを行う仕組みを備えている。これにより、従来のルールベース型では検知が困難だった最新の不正パターンを高い精度で識別できるようになった。ラックが持つサイバーセキュリティの豊富な知見を反映した設計も、採用の決め手になった。

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AIゼロフラウドによる不正検知の概要

 auじぶん銀行は12月14日から新機能の運用を開始している。システムが不正送金のリスクが高いと判定した振込については、即座に取引を一時保留し、追加の本人認証を求めるなどの処置を自動で実施する。これにより、不正送金の被害を未然に防ぐ体制を強化した。同時に、AIの活用により正常な取引を誤って検知するリスクも低減されるため、利用者のスムーズな操作を妨げることなく、強固なセキュリティ環境を提供できるとしている。

 今後、auじぶん銀行とラックは、インターネットバンキングにおける不正送金対策をさらに高度化させていく方針だ。サイバー犯罪や金融犯罪の防止に努めることで、安心・安全な金融サービス環境の提供を目指す。同行は今後も、デジタル技術を活用して顧客の期待を超える新しい体験価値を創造し、持続的な発展に取り組んでいく考えだ。

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