クリーマ、CFサイトで不正決済対策を強化 「ASUKA」で離脱防止とセキュリティを両立

2025年12月26日16:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 クリーマは、運営するクラウドファンディングサービス「Creema SPRINGS」のセキュリティ強化を目的に、不正検知・認証システム「ASUKA」を採用した。12月26日、クレジットカード決済などの不正利用対策ソリューションを提供するアクルが発表した。巧妙化するクレジットカードの不正利用を防ぎつつ、決済時の利便性を維持することで、ユーザーの離脱を抑えながら安全な取引環境を整備する考えだ。

 クリーマは、クリエイターのエンパワーメントを目的とする各種事業を展開しており、2020年からはものづくりを応援するクラウドファンディングサービスであるCreema SPRINGSを運営している。多様なプロジェクトが展開されるECプラットフォームにおいて、安全な購入体験の提供は事業運営上の重要な課題となっていた。

 背景には、クレジットカード不正利用被害の急激な増加がある。日本クレジット協会の発表によれば、2024年の被害金額は513億円に達した。これを受けて経済産業省が「クレジットカード・セキュリティガイドライン」を公表するなど、ECサイト運営者には単なる事後の対処ではなく、予防の観点からの高度な対策が求められている。カード加盟店として、取引のあらゆる段階に対応可能なセキュリティを備える必要があった。

 こうした中、クリーマは取引の全段階でセキュリティを確保でき、かつユーザーの利便性を損なわないソリューションとしてASUKAを選定した。ASUKAは、取引情報や属性情報をもとに不正使用の兆候をリアルタイムで検知し、カード認証を自動で行うシステムだ。物販や旅行商材など45000サイト以上の導入実績がある点を評価した。

 今回の採用により、クリーマは「EMV 3-Dセキュア 運用パターン2」を構築した。これはカード番号の登録時に本人認証を行い、決済の都度については加盟店の判断で必要な場合のみ認証を求める仕組みだ。これにより、リスクが低いと判断された取引では決済ごとの煩雑な認証プロセスが省略されるフリクションレスな運用が可能になった。

 システム導入の効果として、セキュリティの向上と売上機会の確保の両立を見込む。クレジットマスター攻撃や大量アタック、第三者による不正利用などを未然に防ぎつつ、正規ユーザーに対してはスムーズな決済体験を提供することで、購入途中の離脱低減につなげる。利便性と安全性を高い次元で両立させる狙いだ。

 アクルは今後、クリーマと連携しながら不正利用のリスク低減に貢献し、安心・安全なECサイトの実現を支援していくとしている。

ニュースリリース