大阪・関西万博の関係者入場に顔認証システムを導入

2024年10月7日19:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 2025年開催の大阪・関西万博の関係者入場に、顔認証システムが導入される。10月7日、大日本印刷(DNP)とパナソニックコネクトが発表した。DNPは関係者入場証(AD証)の発行などを、パナソニックコネクトは顔認証入場管理システムの構築を担当する。

 大阪・関西万博では、関係者だけで10万人規模の入場が見込まれており、ピーク時には1時間に5000人以上が関係者ゲートを通過すると想定されている。このため、スムーズな入場と厳格な本人確認の両立が課題となっていた。

 今回導入するシステムは、顔認証とQR認証を組み合わせることで、これらの課題解決を図る。DNPの高いセキュリティ基準のカード発行体制と、パナソニックコネクトが持つ世界最高水準の顔認証技術を組み合わせることで、スムーズかつ厳格な本人確認を実現する。

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顔認証システムの利用イメージ

 具体的には、DNPがAD証の製造・発行と、AD証発行・受け渡しなどを主業務とするADセンターの運営を担当する。パナソニックコネクトは顔認証入場管理システムの構築を行う。

 導入する顔認証システムは、他人の写真でのなりすましや不正を見抜く高い顔認証精度を誇り、1時間に5000人以上の顔認証をスムーズに処理できる。また、屋外での使用を見据え、逆光や暗闇など外乱環境にも強いという特徴を持つ。

 AD証は、内部にホログラムを埋め込むことで、剥がして転用するなどの偽造を防止する。ADセンターでは厳格な情報管理体制を構築し、顔画像データを含む個人情報の漏えいを防ぐ。さらに、環境への配慮として、AD証のプラスチック素材には、パッケージ工場が排出するポリ塩化ビニル(PVC)の廃材・中間材から再生したリサイクル材を80%以上採用。入場ゲートや認証端末などは、会期後にリース資材として再利用する。

 DNPは、プライバシーマークや情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に準拠した環境でAD証業務を運用する。施設・設備・ネットワークや、組織運営・教育体制の構築など、多様な安全対策を講じる。パナソニックコネクトの顔認証技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証ベンチマークテストにおいて、世界1位の評価を獲得しており、顔の向きや経年変化、メガネ・マスクなどにも影響されにくく快適に利用できる。

ニュースリリース