SNK、シンガポールからアジア4カ国の空調工事を遠隔管理 品質確認の頻度向上

2026年3月25日09:00|ニュース谷川 耕一
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 新日本空調の海外法人であるSNK (ASIA PACIFIC) PTE. LTD.(以下、SNK)は、アジア各国での空調設備工事における品質管理体制を強化するため、クアンドが提供する遠隔支援ツール「SynQ Remote」を採用した。3月24日、クアンドが発表した。シンガポール拠点からカンボジア、ベトナム、ミャンマー、スリランカの現場をリアルタイムで結び、移動時間を削減しながら現場確認の頻度を向上させる。これにより、施工品質の安定化と是正指示の迅速化を図る。

 新日本空調グループはアジア圏の重要拠点において、日本国内と同等の高品質な施工管理体制の構築を推進している。しかし、シンガポール拠点の管理者が各国に点在する現場を確認する際、物理的な距離が大きな障壁となっていた。国を跨ぐ移動には、わずか半日の確認作業であっても往復で2〜3日を要することが一般的であり、迅速な状況把握や指示が困難な状況にあった。

 こうした「移動の壁」を解消し、管理者が「今、この瞬間」の状況を確認できる体制を整えるため、SNKは2025年10月からSynQ Remoteの運用を開始した。選定にあたっては、遠隔から現場の状況を正確に把握できる点や、多国籍なスタッフ間でも円滑に意思決定ができる操作性を評価した。

 実際の運用では、従来の月1回程度の出張による対面確認から、週1回以上の短時間・高頻度な遠隔巡回へと転換した。シンガポールの管理者と現地の所長やスタッフを随時接続し、1回あたり5〜10分程度のこまめな状況確認をルーチン化している。これにより、現場で発生する小さな兆しを早期に捉え、是正指示までのリードタイムを短縮した。

 通信環境が不安定になりやすい工事現場特有の課題に対しては、運用面で工夫を凝らしている。施工が進み電波が通りにくくなった屋内現場では、事前に写真や動画を撮影し、通話時にその映像を共有しながら指示を出す運用を確立。通信環境に左右されず、確実な品質確認を継続できる体制を敷いている。また、言葉の壁を越えるための工夫として、画面上のポインタや描画機能を活用。対象箇所を具体的に指し示しながら指示を出すことで、多国籍スタッフ間の認識の齟齬を防いでいる。

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SynQ Remoteでのリモートからの現場状況の確認イメージ

 SynQ Remoteの導入により、移動に伴う2〜3日のタイムラグが解消され、即時の確認が可能になった。早い段階で現場を確認できるようになったことで、手戻りの予防や問題の早期発見につながっている。

 SNK工事管理部門の友久保氏は、現場に足を運ぶ重要性は変わらないとしつつも、移動の負担が課題解決のスピードに影響していたのは事実だと指摘する。その上で、SynQ Remoteの導入により単に移動を減らすだけでなく、現場を確認する回数を増やせる体制を構築できたと評価している。1回5分程度のリアルタイムな状況共有が、問題の芽を早期に捉えることにつながり、自律的な品質向上の基盤が整いつつあると述べている。

 SNKは今後、今回の取り組みを標準モデルとして他のプロジェクトや拠点へも横展開していく計画だ。より高い品質管理と生産性の両立を目指し、エンジニアリングハブとしての機能を強化していく。

ニュースリリース