東京電力ホールディングスは、グループ全体の横断的なデータ活用を目的に、Denodo Technologiesのデータ仮想化ソリューション「Denodo Platform」を導入した。7月3日、Denodo Technologiesが発表した。法令やセキュリティ要件に準拠しつつ、従来2カ月以上を要していたデータ取得期間を最短3営業日に短縮し、データ取得工数を最大で8割削減した 。これにより、データを軸とした業務改革を推進している。
ホールディングス制を採る東京電力では、各事業会社が担当業務ごとにシステムを保有し、データを活用している。一方で、近年は部門や会社の垣根を越えてデータを利用したいというニーズが増加していた。しかし、データ取得には申請から2カ月以上を要するケースがあるなど、利用が非常に難しい状況だった。また、データ連携のたびに法令やセキュリティ要件に準拠した構成を個別に構築する必要があり、システム改修やデータ変換の手間が大きな課題となっていた。
これらの課題を解決するため、同社は2023年9月頃から情報調査を開始し、データ仮想化によるデータ連携の検討を進めた。Denodo PlatformのPoC(概念実証)では、5つのシステムを接続して法人と個人の顧客データを統合活用するなど、複数のユースケースで有効性を検証し、満足のいく結果を得たという。「既存のシステム構成を大きく変更することなくデータの連携が実現可能」な点や、既存システムとの親和性の高さなどが評価され、採用が決定した。
2024年10月より本格稼働を開始し、データ取得にかかる工数は最大で8割削減された。担当者は「従来、2カ月以上かかっていたデータ取得が、今では最短3営業日、平均5営業日で取得可能となった」と話している。データ連携に必要な個別のシステム改修や手続きが不要になったことで、現場でのデータ連携にかかる負担が軽減され、収集元システムの保守対応の生産性も向上している。
SQLの知識がなくてもGUIで直感的に操作できる点も、業務部門の利用者から高く評価されている。セミナーを受講した社員からは「夢のようなシステム」「これを待っていた」という声も上がっている。現在、8つのシステムと連携しており、今後はさらに接続対象を増やす予定だ。同社では、基幹業務への展開やSQL生成への生成AI活用といったサービスレベルの向上施策も進行中で、Denodo Platformをきっかけに全社でのデータ活用を拡大していく方針だ。
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