キリンホールディングス(キリンHD)は、新卒採用に「AI面接官」を本格導入する。AI面接官はVARIETASが開発し、レビックグローバルが販売する対話型AI面接システム。多様な人材を発掘し、最適なポジションへの配置を図る。1月30日、両社が明らかにした。
同社は事業環境の変化に柔軟に対応し、さまざまな知識やアイデアを取り込んで新事業を推進するために、多様性を重視した人材採用に取り組んでいるという。採用システムもこれに合わせて高度化を図るべく、24年10月にはAI面接官をトライアル導入した(別記事参照)。
トライアル導入では、AI面接官による評価と人事部の評価との間に非常に強い相関関係が確認されたとしている。具体的には、総合得点と能力得点の両方で0.8以上の相関を示した。また、AI面接官は済産業省が定義する「社会人基礎力」を基に候補者を多角的に分析するが、この評価とキリン人事部が行った一次面接の合否判断の関係を分析したところ、全ての項目で評価スコアと合否の間に強い正の相関が確認できたという。こうした結果を基に、AI面接官がキリンの選考基準に沿った形で、公平かつ一貫性のある候補者の評価を支援できると結論づけた。
キリンHD人材戦略部の根津拓登氏は「従業員一人ひとりが互いの価値観を受け入れ、経験や発想の違いを生かして新たな価値を生み出すことを目指しており、AI面接の導入は多様な人材を発掘し、自分らしく成長・活躍してもらうための第一歩と捉えている。また、自社の面接の特徴を可視化することで、最適な採用活動を追求できる点でもAI面接に大きな価値を感じている」と述べている。