スズキ、データ仮想化で基盤刷新 全社員のデータ活用を加速

2025年7月23日21:04|ニュースCaseHUB.News編集部
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 スズキは、全社員が日常的にデータを活用できる統合基盤の構築を目的に、データ仮想化製品「Denodo」を採用した。7月22日、Denodoの導入・構築を支援したジールが発表した。社内に散在するデータを物理的に移動させることなく論理的に統合し、データ入手に要していた時間を大幅に短縮。今後はAI機能も活用し、さらなるデータ活用の民主化を加速させる。

 自動車業界が「100年に一度の大変革期」を迎える中、総合モビリティメーカーであるスズキは、データに基づいた迅速な意思決定が不可欠と判断し、高度なデータ分析や生成AIの活用に向けた環境づくりを進めていた。しかし、部門ごとにシステムが縦割りで構築されサイロ化しており、全社を横断したデータ活用が困難だった。各部門のデータは閉鎖的で、入手するには担当者間のやり取りが必要となり、時間と手間がかかっていた。この状況は、データの鮮度や正確性の観点でも課題を生んでいた。

 これらの課題を解決するため、スズキは社内に散在する多様なデータを統合し、必要なデータを誰もが容易に入手できる基盤の構築に着手。その解決策として、データを物理的に移動させず、元のシステムに残したまま論理的なビューを通してリアルタイムに提供する「データ仮想化」技術に着目した。データ仮想化は、物理的なデータ統合で必要となるETLの開発・運用が不要で、IT部門の運用負荷を大幅に抑制できる利点もある。

 データ仮想化を実現するソリューションとして、専門家だけでなく一般の業務ユーザーが直接データを扱える仕様を評価し、Denodoの採用を決めた。導入パートナーには、Denodoの日本法人設立当初からのパートナーで、導入実績が豊富でデータ活用に関する知見を持つジールを選んだ。

 Denodoの導入により、従来はデータ入手から分析までに複数の手順を要していたが、DenodoとBIツールを直接接続することで、ユーザー自身が最新かつ正確なデータを用いてすぐに分析できるようになった。これにより、従来は10営業日かかっていたデータ入手のリードタイムが、最短ゼロ秒にまで短縮された。また、あらゆるデータベースに容易に接続できるため、ユーザーからのデータ提供リクエストにも迅速に対応でき、IT担当者の開発・運用負荷の抑制にもつながっている。

 スズキでは3年前から「業界ナンバーワンのDXチームになる」という目標を掲げ、役員や本部長向けのIT研修会を実施。DenodoやBIツールを使い、業務データから必要な情報を抽出・可視化する体験を提供した結果、経営層にも「データは自らが使いこなすもの」という意識変革が生まれている。同社はすでに、自然言語クエリなどのAI機能が実装された最新版「Denodo V9 Enterprise Plus」へのアップグレードを完了しており、さらなるデータ活用の浸透を図っていく。

ニュースリリース


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