みずほ銀行は、財形貯蓄の帳票Webサービス「財形WITH」の基盤に、スパイラルが提供するローコード開発プラットフォーム「SPIRAL ver.1」を採用した。9月18日、同製品を提供するスパイラルが発表した。これにより、同行と財形貯蓄制度を導入する企業・団体の双方で、財形貯蓄管理業務の効率化と郵送費の削減、利便性の向上を目指す。
みずほ銀行では、従来、財形貯蓄管理業務の大部分を紙と印鑑で処理していた。財形貯蓄制度を導入している企業・団体と同行双方で、アナログな事務作業の負荷や人件費、郵送費などのコストが課題となっていたため、デジタルによる業務効率化とコスト削減、利便性向上が急務だった。
同行は、大規模な投資や長期間のシステム開発は難しいという課題も抱えていた。そこで、一定の費用対効果が期待できるとして、スパイラルが提供するテンプレートアプリ「財形ワークイノベーション」をベースにしたシステム化を検討。取り扱う財形貯蓄商品を一本化するタイミングとも合致したため、今回のシステム化を決定した。
財形WITHは、SPIRAL ver.1を基盤に構築されたテンプレートアプリの財形ワークイノベーションを同行の業務や要望に合わせてカスタマイズして運用を開始する。このシステムにより、毎月発生する財形貯蓄加入者の控除額明細表などの帳票について、郵送でのやり取りと内容確認・修正作業をオンラインで行うことが可能となる。
SPIRAL ver.1のデータベースに格納された帳票データは、みずほ銀行と導入企業・団体の双方がダウンロードし、自社システムに取り込むことができる。テンプレートアプリをベースとしているため、通常の一から開発する手法に比べ、低コストかつ短期間での開発および利用が実現している。
みずほ銀行 ビジネスサービス部 財形オフィスの小杉祥子氏は、財形貯蓄管理業務のデジタル化について、「短期間かつ低コストで導入可能なテンプレートアプリの柔軟性に加え、金融機関として不可欠な高度なセキュリティ水準を兼ね備えている点が、当行の要件に最適である」と述べている。さらに、「将来的な業務拡張にも柔軟に対応できる機能性の高さも、選定の決め手となった」とコメントしている。
今回のシステム導入により、従前の郵送による帳票の発着や確認・修正業務が、24時間365日いつでもどこでもオンラインでできるようになる。これにより、みずほ銀行と導入企業・団体双方の業務効率化と郵送費削減、利便性向上に貢献すると期待される。