前橋赤十字病院、医師の働き方改革に向け顔認証と位置測位で実証実験

　前橋赤十字病院は、シスコシステムズ、NECと共同で、医師の働き方改革に向け、Wi-Fi位置測位と顔認証を活用した実証実験を2023年7月3日から8月24日まで実施した。9月20日、3社が発表した。医師の勤務状況を可視化し、労働環境の改善と持続可能な医療の実現を目指す。

　2024年4月からの医師の働き方改革では、時間外労働の上限規制などが導入される。医療現場では、効率的かつ持続的に医療を提供できる体制の構築が急務となっており、医師の労働環境改善や、業務効率化などの働き方改革が求められている。

　今回の実証実験では、集中治療科と救急科の医師にiPhoneを配布し、院内に設置されたシスコ製のアクセスポイントからのWi-Fi位置測位データと、特定施設に設置されたNECの顔認証デバイスからのデータを用いて医師の勤務場所や動線を把握した。その結果、院内約540箇所のアクセスポイントから、医師の位置を約5m以内、5分間隔で特定できた。また、顔認証デバイスとの併用により、医師の勤務時間や勤務内訳などを可視化できた。

　実証実験の結果、医師の記憶に頼ることなく、会議や個人業務などの内訳を把握できるようになり、業務効率化や改善点の発見につながった。3者は今後、実証実験の結果を踏まえ、医師だけでなく病院全体の労働環境と経営の改善を両立させる解決策の提案に取り組む。

ニュースリリースURL
https://jpn.nec.com/press/202309/20230920_03.html