日本総合研究所(日本総研)は、関連のクレジットカード会社向けデータサービス基盤に、デル・テクノロジーズのスケールアウト型ストレージ「Dell PowerScale」を採用した。5月13日、デル・テクノロジーズが発表した。メインフレームで行っていたデータ加工処理をオープン系基盤へ移行することで、急増する決済トランザクションへの安定した対応と、組織全体でのデータ利活用能力の向上を狙う。
日本総合研究所(日本総研)は、三井住友フィナンシャルグループの総合情報サービス企業だ。同グループのクレジットカード会社では、キャッシュレス決済の普及により少額決済が急増し、トランザクション量が年率約20%の割合で増え続けていた。その結果、メインフレームの処理負荷が増大して基幹システム全体の安定稼働に影響を及ぼす懸念が生じたため、高負荷なデータ加工処理をオープン系基盤へ分離する「オフロード」が急務となった。
こうした背景を受け、日本総研は前身モデルでの運用実績に加え、高い性能と信頼性、システムを止めずに拡張できるスケーラビリティを評価してPowerScaleを選定した。特にNFSやHDFS、S3など幅広いプロトコルに対応している点を重視し、メインフレームから直接データを書き込み、HadoopやApache Sparkベースの基盤でシームレスに処理できる環境を構築した。
導入の効果として、大量のトランザクションが集中する日でも、メインフレームが遅延することなく安定稼働を維持できるようになった。PowerScaleをメインフレームとオープン系基盤の共有ファイルサーバーとして活用することで、既存のプロセスに手を加えず安全なデータ受け渡しが可能になり、開発者間の連携も円滑化された。また、基幹システムと周辺システムを疎結合化したことで、メインフレームへの影響を気にすることなく周辺システムでのデータ利活用が進めやすくなっている。
今後は、クラウドストレージプロトコルの活用準備を整え、将来的なクラウド統合やアプリケーション間での柔軟なデータ活用を見据える。日本総研データ・情報システム本部データエンジニアリング本部付部長の小林直樹氏は、「長年の課題であったメインフレームの負荷を解消でき、データ活用の自由度が拡がったことは大きな成果だ。今後はクラウド連携などの新たなチャレンジにも挑みたい」としている。