住信SBIネット銀行は、個人、法人顧客の口座開設時における不正防止対策を強化するため、Liquidが提供する業界横断型の顔画像不正検知サービス「LIQUID Shield」を導入した。9月25日、住信SBIネット銀行が発表した。同行は同行の提供するアプリ「住信SBIネット銀行」および各NEOBANKアプリ・法人アプリにLIQUID Shieldを導入する。
近年、マネーロンダリングを始めとする金融犯罪の増加に伴い、架空口座や他人名義口座の不正利用が深刻化している。住信SBIネット銀行は、このような状況を踏まえ、従来から不正対策に取り組んできた。具体的には、FIDO認証やアプリ連動型SMS認証、オンラインでのeKYCによる本人確認(LIQUID eKYC)、デジタル当人認証(LIQUID Auth)などを導入し、セキュリティ強化を図ってきた。
今回導入したLIQUID Shieldは、2000万件以上の事業者共通データベースを基盤とした不正検知サービスだ。口座開設時に、金融機関、通信キャリア、古物買い取り、シェアリングエコノミー関連、マッチングアプリ、暗号資産取引サービス、Web3関連サービスなど、幅広い業界の事業者から提供された過去の本人確認データと照合し、虚偽の疑いのある申請を検知する。特に、顔画像を用いた不正検知に強みを持ち、同一人物による異なる氏名や生年月日の申請など、偽造書類による不正を防止できる。LIQUID Shieldによる自動検知の結果、目視でも不正が確認できたケースは累計5000件を超え、9割以上が偽造書類であることが確認されている。
住信SBIネット銀行は、これまで本人確認書類の画像データと顔容貌の撮影データを用いたオンライン本人確認、口座開設時と認証端末登録時の顔容貌照合、24時間365日のモニタリングやネットワーク分析による不正検知など、多角的な対策を講じてきた。今回のLIQUID Shield導入は、これらの取り組みに加えて、業界横断型のデータベースを活用することで、より精度の高い本人確認を実現し、不正口座開設の抑止力を強化する。