SBI証券、オンライン取引システムをAWSに 急激なキャパシティ拡張ニーズにも対応

2024年9月9日08:35|ニュースリリース公開日 2024年4月23日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 SBI証券は、国内株式のオンライン取引システムをAWSに移行した。4月23日、アマゾン ウェブ サービス ジャパンが発表した。SBI証券の証券総合口座数は1200万を超えており、国内証券会社として初めて、1日あたり2兆円を超える国内株式の取引をAWS上で実行することになるという。

 日本政府が2022年11月にNISA制度の抜本的拡充・恒久化を打ち出したことを受け、顧客の投資を促進すべく、SBI証券は日本で初めて国内株式売買手数料の無料化を発表した。急拡大する顧客基盤に対応するため、より短い期間でキャパシティの拡張が可能で、高い拡張性と柔軟性を備えた取引システムをAWS上に構築することを決定した。

 同社は今回の移行プロジェクトで、「AWS Cloud Development Kit」を活用し、コードによるITインフラ構築・管理の自動化を実現。オンプレミスと比較して半分以下の期間でキャパシティを拡張できるようになり、株式取引需要の急増にも対応しやすくなったとしている。

 さらに、AWSの複数のアベイラビリティゾーン(AZ)を使用することで可用性を高め、低レイテンシーを実現しながら、1日当たり約1億件の取引サイトへのアクセス、約360万件の発注を安定して処理できる取引システムを実現したという。障害や誤りを擬似的に発生させてシステムの動作をテストすることフォールト・インジェクションには、「AWS Fault Injection Service」を活用。システムの予期せぬ停止にどう対処するかなど、高可用性の設計を自動で検証することが可能になり、フォールト・インジェクションに要する人的リソースと時間を削減した。

 また、仮想プライベートクラウドとAWSのサービス間をつなぐ「AWS PrivateLink」も使い、SBI新生銀行や大阪デジタルエクスチェンジなどグループ内外のパートナー企業とセキュアなプライベート接続環境を構築した。

 SBI証券社長の髙村正人氏は「今後も当社の口座数・取引量は増加することが想定され、キャパシティ確保の観点でAWSが提供する強靱性と俊敏性が不可欠。オンプレミスではなくAWSに移行することで、リードタイムの短縮やコスト削減が可能となる」とコメントしている。

 SBI証券は2026年を目安に、その他の業務システムもAWSに順次移行していく予定。移行をより効率的かつ短期間で進めるために、フルマネージド型の生成AIサービス「Amazon Bedrock」の活用も検討しているという。

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