常陸國總社宮は、参拝者への情報提供強化と利便性向上を目的に、表示灯の「神社ナビタ」を設置した。8月25日、「神社ナビタ」を提供する表示灯が発表した。タッチパネル式のデジタルサイネージを活用し、日本語と英語で由緒や参拝作法などを案内する。伝統文化の正しい啓蒙を図るとともに、増加する海外からの参拝者への対応を強化する狙いだ。
常陸國總社宮は茨城県石岡市に鎮座し、創建以来絶えることなく「国府の神祭り」を続けている。その現在形である「例大祭」は「石岡のおまつり」とも呼ばれ、全国から約50万人の参拝者が訪れる。近年は欧米をはじめ海外からの参拝者も増えており、日本語が分からない層への情報提供が課題となっていた。
今回設置した神社ナビタは、参道左手の随神門前に設置された。多くの参拝者が通る場所でありながら、心静かに情報を得られるよう配慮したとしている。高さ2000mm、横幅2449mmの筐体の右手にはLED電照式の古地図風周辺案内図、左手にはタッチ式のデジタルサイネージを備える。
デジタルサイネージでは、神社の御由緒や授与品、境内案内をはじめ、参拝・手水の作法などを日本語と英語で紹介している。これにより、海外からの参拝者にも正しい情報を伝えられるようになった。お盆期間中には多くの参拝者が活用し、地元からも新しい取り組みとして関心が寄せられた。
今後は、行事などへの参加申し込みもタッチパネルから行えるようにすることを検討している。常陸國總社宮の宮司である清原師竺氏は、「今回の設置で、景観にも調和させながら、神社の由緒や参拝作法を気軽に学べるきっかけになれば嬉しい。日本語が分からない方にも多言語案内を通して正しい情報をお伝えできることに大きな価値を感じている。9月13日から15日に行われる例大祭は、毎年約50万人が訪れる最大の行事だ。この機会に多くの方に参拝いただき、デジタルサイネージを通して神社の魅力や活動にも触れていただければと思う」と話している。