日本航空(JAL)は、ハプティック(触覚)グローブ「SenseGlove Nova 2」を活用した航空機エントリードア開閉のXRトレーニングを導入する。2月17日、開発を担当した日本XRセンターが発表した。触覚フィードバックにより操作感覚を再現することで、実機を使用せずとも筋肉の記憶を形成する学習体験を可能にするという。空港や機種の制約を受けない効率的な訓練環境を整備し、グランドハンドリングスタッフなどの安全性と習熟度の向上を目指す。
航空機のエントリードア開閉作業は、空港に勤務する多くのスタッフにとって必須のスキルだ。しかし、従来の実機を用いたトレーニングでは、インストラクターとのスケジュール調整や実機の確保に多大な時間を要していた。また、空港によっては発着しない機種があるなど、教育環境に制約がある中で、スタッフには機種を問わず正確な操作を身につけることが求められるという課題があった。
こうした背景からJALは、実機を使わずに実際の作業に近い体験ができるXRトレーニングの導入を検討。海外の先進的なハードウェアメーカーと直接連携し、最新デバイスを活用した開発体制を持つ日本XRセンターが開発を担当し、約1カ月という短期間で開発を完了したという。
今回開発したXRトレーニングでは、ハプティックグローブの採用により「物をつかむ」感覚まで再現した。ドアの開閉作業にはハンドルを握る、力を加えて動かすといった動作が数多く含まれるが、触覚フィードバックによって操作時の抵抗感や微細な振動を再現。従来のコントローラーやハンドトラッキングのみのVRトレーニングでは困難だった、実作業に近い身体的な習得を可能にしたとしている。
システム構成は「Meta Quest 3」とSenseGlove Nova 2のみで完結しており、特別な設備を必要としない。これにより、場所や時間に縛られることなく、全国の拠点で均一な品質のトレーニングを実施できる。特にグランドハンドリングスタッフの教育において、実作業に近い体験をXR上で繰り返し行うことで、現場での事故防止や作業効率化につなげたい考えだ。なお、トレーニングの導入時期や対象空港については、現在調整を進めているとしている。