フリューがプリントシール機の画像取得・閲覧サービス「ピクトリンク」のデータベース基盤をOracle Cloud Infrastructure(OCI)上で刷新した。2023年12月、日本オラクルが発表した。
フリューは国内プリントシール機市場で94%のシェアを持つ。同社の「ピクトリンク」は149万人の会員を擁し、プリントシール機で撮影した画像を数分以内にスマートフォンなどでダウンロードできるサービスを提供している。従来のオンプレミス環境では、繁忙期の利用集中時に画像アップロードの遅延が発生し、サービス品質の低下や運用管理の負荷が課題となっていた。また、データセンターの老朽化に伴い、サービスを中断せずに基盤を移行する必要があった。
フリューは複数の選択肢を検討した結果、マルチクラウドの活用を決定。データベース基盤には、移行性や性能、コスト面で優位性があるOCIのOracle Autonomous Databaseを採用した。自社の運用ポリシーに合わせたカスタマイズが可能な専有環境を選択し、サービスへの影響を最小限に抑えつつメンテナンスを行える体制を整えた。
2023年6月の新基盤稼働後、フリューはデータベース性能の向上とCPUの柔軟な増減により、ピーク時のサービス品質劣化を解消。高負荷の月次処理も従来比約3倍の速度で、約60%のコストで実行できるようになった。パッチ適用の自動化により、運用管理負荷を軽減しつつ最新のセキュリティを維持している。
フリューは今後3年間で、同等のオンプレミス環境と比較して1億3000万円以上、他のクラウドとの比較では4億4000万円以上のコスト削減を見込んでいる。
フリュー ピクトリンク事業部 開発部 部長の佐々木翔氏は「撮影から数分内で画像データの利用を可能にするというサービス品質を常に担保し、ユーザー体験を一貫して提供できるようになったことは大きな成果。今後も、クラウドのテクノロジーを活用し、ピクトリンクをはじめとするサービス基盤の最適化を図り、さらなるサービス品質の向上を図っていく」と述べている。
ニュースリリースURL
https://www.oracle.com/jp/news/announcement/furyu-corporation-adopts-autonomous-database-2023-12-18/