日本軽金属は、契約書レビュー業務の効率化を目的に、法務向け文書エディタ「BoostDraft」を採用した。3月2日、BoostDraftが発表した。形式的な確認作業を自動化することで、1件あたり30分以上を要していた作業を数分に短縮した。浮いた時間を専門性の習得といった本質的な業務に充てることで、若手法務人材の育成加速にもつなげる。
日本軽金属は1939年創業のアルミニウム総合メーカーだ。同社法務部では、コンプライアンス意識の高まりを受けて契約案件が年々増加していた。一方で、法務人員の増員は難しく、ルーティン業務の効率化が急務となっていた。
特に課題となっていたのが、若手社員の育成と業務負担のバランスだ。同社は法務のスペシャリスト育成に注力しているが、実務では表記ゆれや条文番号のずれといった形式的なミスを修正する作業に追われ、内容の理解や法的判断の検討に十分な時間を割けていなかった。また、若手社員が作成した書面を上長がダブルチェックする際も、形式的な不備の修正に多大な労力を要しており、組織全体の生産性を押し下げる要因となっていた。
こうした課題を解決するため、同社は契約書の形式的作業の効率化に特化したBoostDraftの検討を開始した。選定の決め手となったのは、Microsoft Wordのアドインとして動作するため、従来の業務フローを変更せずに導入できる点だ。直感的な操作が可能で、ITシステムに不慣れな職員でも負担なく利用できることや、コストパフォーマンスの高さも評価のポイントになった。
導入後は、契約書レビューにおける形式確認が自動化され、作業時間が削減された。1件あたり30分以上かかっていた作業が数分で完了するようになり、本来注力すべき法的リスクの検討などに時間を割ける環境が整った。メーカー特有の技術関連契約で重要となる「残存条項」の確認においても、参照条文をポップアップで表示できる機能が効率向上に寄与している。
また、若手社員の教育面でも具体的な成果が出ている。これまでは形式面の指導において上長の経験則に頼る部分があったが、システムが検知したエラーを客観的な根拠として示せるようになった。これにより、修正箇所の説明に関する上長の精神的負担が軽減され、若手社員にとっても納得感の高い指導につながっている。
海外取引における英文や中国語の契約書レビューでも効果を発揮している。重要語句のハイライト機能やスペルミスの検知により、長文の契約書でも集中力を維持しながら精度の高い審査が可能になった。さらに、文書比較に特化した「BoostDraft Compare」を活用することで、修正前後の差分確認も迅速化している。
日本軽金属法務部課長の森本氏は、導入の決め手として既存のワークフローを変えずに効率化できる点を挙げている。また、法務の専門スキルが影響しない作業を徹底して効率化することで、付加価値の高い業務に注力するために欠かせないツールであると評価している。今後は社内のユーザー間で活用事例を共有し、さらなる活用推進を図る。