学校法人千葉経済学園は、出願手続きの効率化と受験生の利便性向上を目的に、スクールマネジメントシステム「ヨリソル」を採用した。3月3日、システムを提案したパナソニック インフォメーションシステムズが発表した。紙と郵送による従来の運用をデジタル化することで、職員の業務負荷を大幅に軽減するとともに、印刷費や郵送費などのコスト削減も果たした。今後は学生データの一元管理を進め、オープンキャンパスから就職までを通じた一気通貫のデータ分析に活用していく。
千葉経済学園は、千葉経済大学と千葉経済大学短期大学部を運営している。長年、入学志願者の出願手続きをすべて紙と郵送で行ってきたが、事務部門の負担増が大きな課題となっていた。
従来のフローでは、志願者への募集要項の郵送から始まり、返送された書類の確認、受験票ハガキへの手作業による採番、速達での返送といった煩雑な工程が発生していた。特に入試シーズンはオープンキャンパスや各種会議が重なる繁忙期であり、受験票の発送作業のために深夜まで残業が生じることもあった。また、郵送された志願票などの書類は、スキャン後に一部をOCRでデータ化していたものの、多くをExcelへ手入力しており、多大な工数を要していた。
こうした状況を改善するため、同法人は2023年からシステムの比較検討を開始した。選定にあたっては、将来的な運用の継続性を重視。多くの製品が学校独自の仕組みに合わせたカスタマイズを前提としており、入試制度の変更のたびにコストが発生する懸念があった。対してヨリソルは、ノーコードで職員自らが設定変更を行える内製化の仕組みを備えていた。また、Web出願にとどまらず、入学後の出欠管理や学習管理、キャリア支援までを網羅したオールインワンの設計である点も、将来的な拡張性の観点から高く評価された。
ヨリソルの導入により、志願者はマイページを通じてオープンキャンパスの申し込みから出願、検定料の支払いまでを完結できるようになった。大学側も受験番号の付番や合否登録などの作業をシステム上で行えるようになり、書類の送付や資料作成の工数が大幅に削減された。
コスト面でも成果が出ている。募集要項や受験票の印刷費、制作費、郵送費が不要になったほか、複数のシステムを組み合わせることなく、オープンキャンパスから入学手続きまでを1つの基盤で運用できるようになった。これにより、他製品で構築した場合と比較して数百万円単位のコスト削減につながっている。さらに、これまで特定の職員に依存していたノウハウをシステムに組み込んだことで、属人化の解消も実現した。
今後は、ヨリソルの機能を活用して教育DXを加速させる方針だ。出願から入試、修学、就職までのデータを一元管理することで、入試制度の効果測定や学習成果の評価など、高度な分析を行いたい考えだ。
千葉経済大学・千葉経済大学短期大学部入試広報センター室長の中村敏彦氏は、「一元管理や分析の先には、教育内容も含めたDXによる経営革新も期待できる。内製化には職員のスキル向上が必須だが、組織を鍛えるシステムとして機能させていきたい」としている。