みずほ銀行は、ミッションクリティカルなLinux環境の維持に向け「SUSE Multi-Linux Support」を採用した。7月28日、SUSEが発表した。200台を超える既存の「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」サーバーのセキュリティと可用性を維持し、大規模なOS移行作業に伴うコストや工数の増加を回避している。
みずほ銀行は、ビジネスの俊敏性向上に向けてパブリッククラウド上のコンテナベース共通プラットフォーム構築を進めている。一方で、重要業務を支える200以上のRHELインスタンスがサポート終了を迎えつつあり、対応が課題となっていた。金融機関としてシステムの安定稼働を維持しながら、旧システムの維持のみを目的とした大規模な移行作業に時間や予算を投じることの回避が求められていた。
複数のベンダーを検討する中、他社が多大な時間とコストを要するアップグレードを提示する一方、既存のRHEL環境を維持したまま保守サポートを提供するSUSEの提案を選定した。2011年からメインフレームでSUSE Linuxを運用してきた実績や、オープンソースに対する姿勢も評価した。
同サービスの採用により、みずほ銀行は1カ月未満で新たな保守体制を構築した。OSの強制的なアップグレードを回避したことで、当初見込まれた10億から100億円規模の移行コストや工数を抑制。OS移行を経てからコンテナ環境へ移る二度手間を解消し、次世代プラットフォームへ直接移行するリードタイムを確保した。特定ベンダーに依存しない運用体制を整え、創出したリソースをAI活用などの新規投資へ振り向けている。
みずほフィナンシャルグループ執行役員グループ副CIOの相原寛史氏は、「SUSEは極めて価値の高いデジタル主権をもたらしてくれた。特定ベンダーのタイムラインに縛られず、自分たちのペースで移行を完遂できる自由を確保できた。回避できたリソースを将来施策に投じることで、より大きな長期的価値を生み出せる」と話している。