北海道伊達市は、Microsoft 365上に蓄積される公文書決裁データなどの重要データを保護するため、AvePoint Japanが提供するSaaS型バックアップソリューション「AvePoint Cloud Backup for Microsoft 365」を採用し、2025年2月より利用を開始している。1月28日、AvePoint Japanが発表した。行政DXの進展に伴い増加するデジタル資産の安全性を確保し、ランサムウェア攻撃やヒューマンエラーによるデータ紛失リスクを低減することで、事業継続性の強化を図る。
伊達市は「北の湘南」と称される温暖な気候と豊かな産業基盤を持つ自治体だ。同市は住民利便性の向上と業務効率化を目指し、行政DXを積極的に推進している。2022年度には「Microsoft 365」を全職員に展開し、組織内のコミュニケーションや情報共有の高度化を実現してきた。また、ネットワーク構成においては、インターネット接続系に主要な業務システムを配置する「β´モデル」を採用し、ゼロトラストの考え方を取り入れた柔軟かつセキュアなクラウド活用を進めている。
活用が進む一方で、情報共有基盤の「SharePoint」上に公文書決裁データを含む重要データが蓄積されるようになり、標準機能だけでは十分なデータ保護が困難との課題が顕在化した。クラウド上のデータは安全という初期の誤解を解き、リスクを再精査した結果、2024年夏頃から専用のバックアップシステムの検討を開始した。複数の製品を比較検討した結果、自治体での豊富な導入実績に加え、Teamsチャットのバックアップ対応などの機能面や、コストとのバランスを評価して採用を決めた。
今回の導入により、SharePoint上のデータ約3.5TB、ファイル数にして300万件を超える重要データの保護体制が整った。2025年1月から本格運用を開始した文書管理・電子決裁システムにより、長期保存義務のある公文書データは今後さらに増加する見込みだが、有事の際のリストアが容易になったことで、管理者の心理的負担が軽減された。
伊達市総務部DX推進課DX推進係主任の石尾萌氏は、ワークスペース上のデータが年々増加している現状を指摘した上で、文書管理システムの管理者による誤削除などのヒューマンエラーのリスクは常に存在すると述べている。バックアップの導入はこうしたリスクに対する備えとなり、自治体業務においては必須の仕組みであると認識しているという。
今後は、Microsoftのクラウド基盤を最大限に活用するため、「Power Platform」の利用拡大や職員教育にも注力する。業務基盤をさらに盤石なものにすることで、職員全体の業務効率化を推進し、住民サービスのさらなる向上につなげたい考えだ。