手原産業倉庫は、大阪市内の大正センターにおいて、物流自動化の基盤として「ラピュタASRS」を採用した。3月4日、ラピュタASRSを提供するラピュタロボティクスが発表した。設置面積3000平米を超える大規模な自在型自動倉庫を構築し、深刻化する人手不足への対応と出荷能力の向上を図る。限られた倉庫スペースを最大限に活用することで、拠点数を増やさずに事業成長を実現していく。
滋賀県に本社を置く手原産業倉庫は、物流の枠にとらわれない価値創造を掲げ、多様な物流サービスを展開している。同社の大正センターでは、2024年問題に象徴されるドライバー不足や労働環境の改善といった課題に加え、EC市場の拡大に伴う柔軟で効率的なオペレーションの構築が急務となっていた。特に、限られた倉庫面積の中でいかに生産性を高めるかが大きな課題だった。
システム選定にあたっては、ラピュタASRSの形状や規模、移設に関する自在性に加え、独自のソフトウェア制御による運用面の柔軟性を高く評価した。また、アンカー工事が不要なブロック構造であるため、稼働中の倉庫であっても日常の出荷業務を止めることなく段階的に設置や増設ができる点も決め手となった。
今回のプロジェクトでは、現場への負荷を最小限に抑えるため、3つのフェーズに分けた段階的な導入計画を採用した。大規模な物流センターの運営を継続しながらエリアごとに自動化を拡張し、将来的な物量増加にも柔軟に対応できる体制を整える。
ラピュタASRSの導入により、これまで1階と2階に分かれていた在庫を2階へ集約する。これにより、1階に新たな活用スペースを創出できるほか、保管効率は最大2.5倍に向上する見込みだ。垂直空間を有効活用して収容力を高めることで、物流コストの削減に直結させる。また、荷主ごとに分散していた商品を一元管理することで、在庫管理と出荷業務の効率化も進める。
手原産業倉庫代表取締役の今井あかり氏は、20年から30年前に導入した大型マテハン設備が現場に深く組み込まれており、設備を刷新したくても出荷を止められないというジレンマを抱えていたと話す。ラピュタASRSは、既存倉庫の稼働を止めることなく段階的に導入できる点でこの課題を解消した。稼働しながら少しずつ進められるという選択肢は、同社にとって非常に大きな意味を持っていたという。
今後、ラピュタロボティクスと手原産業倉庫は、ラピュタASRSを活用した物流課題の解決に向けた取り組みを継続する。最新のロボティクス技術を駆使し、人手不足と需要増に対応した新しい物流のあり方の構築を目指していく。