小田急電鉄は、駅構内のさらなる安全確保を目的に、行動認識AIをベースとした警備システム「AI Security asilla」を採用した。3月5日、同システムを提供するアジラが発表した。3月9日から小田急線の一部の駅で運用を開始し、車椅子や白杖を利用する乗客を検知して駅員へ通知する。迅速な状況把握と適切なサポートにつなげる。
小田急電鉄のグループ会社で駅業務を担う小田急ビルサービスは、駅構内におけるすべての人への安心・安全な環境提供を目指している。これまで、既存の構内カメラ映像から車椅子や白杖を利用する乗客を検知する実証実験を実施してきた。この実験を通じてシステムの有用性と信頼性が確認されたことから、今回の本採用に至った。
AI Security asillaは、既設の防犯カメラ映像をAIが解析し、特定の行動や状態を検知する次世代セキュリティソリューションだ。警備業界で深刻化する人材不足を背景に、人の目によるモニタリングでは見逃しやすい異変を捉えるために開発された。暴力や転倒といった異常行動のほか、徘徊や混雑、体調不良などの注意が必要な状況を24時間365日体制で解析できる特徴を持つ。
今回の運用では、駅の改札口に設置されている既設のカメラ映像にAIを導入した。鉄道の営業時間内にAIが対象となる乗客を検知すると、駅員や管理者の端末へ即座に通知が届き、乗客の動向をリアルタイムで把握できる仕組みを構築した。既存の設備をそのまま活用できるため、大規模な設備投資を抑えつつ、限られた人員で高い安全性を維持できる点も評価された。小田急ビルサービスは、本システムの活用により駅利用者の安全確保を一層強化していく。