楽天ペイ、給与のデジタルマネー受取を開始 人事給与システム改修不要で早期導入

2026年3月6日18:47|ニュースCaseHUB.News編集部
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 楽天ペイメントと楽天Edyは、従業員が給与をデジタルマネーで受け取れる「楽天ペイ給与受取」の提供を開始した。システム基盤には、TISが提供するデジタル決済プラットフォーム「PAYCIERGE」の「給与デジタルマネー払いゲートウェイサービス」を採用した。3月6日、TISが発表した。企業側は既存の人事給与システムを大幅に改修することなく、スムーズに給与のデジタルマネー払いに対応できる。

 背景には、少子高齢化に伴う労働人口の減少がある。外国人労働者の受け入れや副業の普及など、多様な働き方に対応した労働力の活用が急務となっている。こうした状況下、2023年4月の労働基準法施行規則改正により、従業員の同意を条件に、厚生労働省が指定した資金移動業者の口座への賃金支払いが解禁された。楽天Edyは2025年3月に指定を受け、サービス提供に向けた準備を進めてきた。

 従来、企業がデジタルマネーでの給与支払いを行うには、自社の人事給与システムを各資金移動業者の仕様に合わせて個別に接続・改修する必要があった。これが導入企業にとって業務やシステム面の大きな負荷となり、普及の障壁となっていた。楽天ペイメントと楽天Edyは、こうした課題を解決するため、すでに多くの人事給与システム事業者と仕様合意が進んでいるTISのゲートウェイサービスの導入を決めた。

 採用の決め手となったのは、導入企業におけるシステム改修が原則不要である点だ。同サービスは、通常の銀行振込で利用されている全銀フォーマットに準拠した振込データや口座番号をそのまま活用できる。そのため、企業は現在利用している人事給与システムの仕組みを変えずに、デジタルマネーでの給与支払いを開始できる。一部のシステムで軽微な改修が必要な場合を除き、短期間での立ち上げが可能だ。

 また、TISがすでに23社の人事給与システム事業者と仕様合意を完了している点も評価された。これらのシステムを利用する企業は14万8000社以上、総従業員数は約1800万人にのぼる。広範囲な企業に対して、標準化されたデータフォーマットと運用ルールを提供できるため、導入に伴う負荷を最小限に抑えながら安定した稼働環境を構築できる。

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楽天ペイ給与受取の利用イメージ

 楽天ペイへの導入にあたっては、TISと楽天Edyが共同体制を構築。仕様確認から接続検証、運用開始までを段階的に進め、2026年2月27日に導入を完了した。

 今回の取り組みを通じて、企業は従業員の利便性向上や福利厚生の拡充を図ると同時に、デジタル化による給与振込事務の効率化も期待できる。多様化する決済ニーズに応える新たなインフラとして、給与のデジタル払い普及を加速させる狙いがある。

ニュースリリース