ヤクルト本社は、投資家との面談記録の作成を効率化し、対話データを活用した経営層への報告の質を高めるため、IR特化型AIソリューション「Loglass AI IR」の活用を始めた。9月29日、提供元のログラスが発表した。年間約300件に上る投資家面談の記録やQ&Aの整理、分析に多くの工数がかかっていたことから導入した。今後は、対話から得られる示唆を経営層に還元し、IR活動の高度化と企業価値の向上につなげる。
ヤクルト本社は、「ヤクルト」をはじめとする乳製品や食品、化粧品などを製造・販売している。近年は、東京証券取引所が求める「資本コストや株価を意識した経営」への対応を背景に、上場企業と機関投資家との対話の重要性が高まっている。同社も、機関投資家との対話から得た知見を経営に生かすことが求められていた。
面談記録の作成やデータ管理は主に手作業で行っており、業務効率化と対話データの蓄積・分析の高度化が課題となっていた。同社経営企画部IR室長の大濱弘和氏によると、投資家との面談は年間約300件に上り、記録やQ&Aの整理、分析に多くの工数がかかっていた。蓄積した面談データを十分に分析・活用できていない状況だったという。
そこで同社は、面談記録作成の効率化を出発点に、対話データの蓄積・分析と経営報告の質向上を目的として、IR業務に特化したAIソリューションの導入を検討した。ログラスのLoglass AI IRを選んだ理由は3点ある。手作業の負荷を抑えながら網羅的なデータを蓄積できること、議事録の作成にとどまらず蓄積したデータを分析して経営層への報告に使えること、既存システムに蓄積したデータの移行を支援してもらえることだ。大濱氏は、面談記録の作成やQ&A管理の自動化に加え、投資家の声を横断的に分析できる点を評価したとしている。
Loglass AI IRは、投資家情報や面談記録、開示資料、エンゲージメントデータなどIR活動に関する情報をAIで自動収集し、一元化したデータベース上で管理・分析できるサービスだ。議事録やQ&Aを自動で作成するほか、投資家ごとの対話の傾向を可視化する。IR担当者の業務効率化と、投資家対応の質の向上を支援する。
ヤクルト本社は今後、投資家との面談から得られる示唆をより効果的に経営層へフィードバックし、IR活動の高度化と企業価値の向上につなげたい考えだ。ログラスも、同社の対話データの活用を支援し、IR活動の戦略的な実行をサポートする。