トモシアホールディングスは、富士通の食品卸売業向けソリューション「Fujitsu 食品流通 Sync Service」を採用し、基幹システム刷新プロジェクト「TO-One(ティーオーワン)」を2026年9月に開始した。9月29日、両社が発表した。傘下の旭食品、カナカン、丸大堀内の販売管理などの基幹システムを統合し、グループ全体の業務標準化と経営基盤の強化を図る。2029年4月からの稼働開始を目指す。
トモシアホールディングスは、2013年に旭食品、カナカン、丸大堀内の3社が経営統合して発足した食品卸売グループ。統合後は20年以上前に構築した基幹システムをグループ共通基盤として活用してきたが、システムの老朽化に加え、3社固有の業務運用が残る点が課題となっていた。中期経営計画で掲げる2027年度の売上高1兆円達成に向け、長年オンプレミス環境で運用してきた販売管理などの基幹システムをクラウド環境へ刷新し、業務運用の統一やシステム運用コストの最適化を図るため、新プロジェクトの立ち上げを決めた。
新システムには、富士通が提供する事業モデル「Uvance」のサプライチェーン向けオファリング「Supply Chain Data Services」から提供される「Fujitsu 食品流通 Sync Service」を採用した。トモシアホールディングスは同ソリューションのファーストユーザーとして、グループ共通業務基盤の構築に取り組む。同ソリューションは、食品卸売業界の基幹業務に必要な標準的な機能パターンを豊富に備える。今回の刷新では、将来的な機能拡張やデータ・AI活用にも柔軟に対応できる環境の整備を目指す。
プロジェクトでは、販売管理を中心とする基幹システムに加え、物流関連システムや情報系システムなど幅広い業務領域を対象に刷新を進める。既存システムをリビルトしてクラウド基盤へ移行することで、システムの柔軟性と拡張性を高め、グループ各社で個別に運用してきた業務プロセスやシステムを共通化する。
今回の刷新では、販売・仕入管理、債権債務、共通マスタ、企業間連携、データ連携などの機能を共通基盤に統合し、業務プロセスとシステム機能の標準化を進める。これにより、システム開発・運用コストの削減を図る。さらに、照合AIによる買掛照合作業の精度向上・効率化や、チャットAIによる問い合わせ対応と運用ナレッジ活用により、業務負担の軽減を見込む。
トモシアホールディングスは、今回の取り組みを単なるシステム刷新にとどまらず、グループ全体の業務、システム、データを共通化する変革プロジェクトと位置付けている。今後は、メーカー、卸売業、小売業をつなぐサプライチェーン全体のデータ連携を進め、食品流通全体の最適化を目指す。富士通も同ソリューションを通じて業界標準モデルの確立を推進し、将来的にはマスタ登録の効率化や物流支援を行うAIエージェントの機能拡充も進める。