古河電気工業は、社内に散在するデータの統合と活用を目的に、論理データ管理ソリューション「Denodo Platform」を採用した。6月30日、同ソリューションを提供するDenodo Technologiesが発表した。2026年1月より本格稼働を開始しており、仮想化技術を活用することで物理的な統合と比較して工数を8分の1に抑え、データ提供にかかる時間を最短30分に短縮した。今後は全社での活用を加速させ、国内外の関係会社への展開を進める。
古河電気工業は、電線をはじめ光ソリューション、エネルギーインフラ、自動車電装など多岐にわたる事業をグローバルに展開する企業である。同社では長年、社内システムの多くをスクラッチ開発しており、経理や営業、購買といった部門ごとに縦割りでシステムが管理されていた。そのためデータがサイロ化し、全社横断での活用が困難な状態となっていた。経営層への情報提供にタイムラグやデータの不整合が生じるほか、組織内での情報格差が生まれるなどの課題を抱えていた。
データ統合を進めるにあたり、当初はAzureを用いた物理的な統合を検討したが、限界を感じたことから仮想化を含めたデータ統合基盤の選定に着手。2カ月間のPoCを経てDenodo Platformを採用した。プレーンなデータベースへの接続が容易で、既存のスクラッチシステムに迅速に対応できる点に加え、社内の重要なデータが多く蓄積されているBoxへの接続が無制限である点を評価し、自社のシステム会社と一体となった内製体制を構築して導入を進めた。
導入効果として、物理統合と比較して大幅な工数削減を実現した。関係会社の統廃合に伴う72種類のデータ提供業務では、物理統合であれば半年を要するところを約1カ月半で完了させ、工数を8分の1に抑えた。また、従来はシステム部門へビューの開発を依頼してから提供までに3カ月程度かかることもあったが、導入後は接続許可を得てから最短30分でのデータ提供が可能になった。Box内のシステム化されていないデータも取り出して利用できるようになり、利便性が向上している。
現在は経営ダッシュボードの利用者100名以上を含め、経理データの活用などで延べ500名ほどが利用を開始している。2026年度はデータ統合の加速フェーズと位置づけ、「量」「質」「定着」をキーワードに全社展開を推進する。将来的には、国内外にある100社を超えるグループ企業を対象としたグローバル展開の検討も進める。