日産証券、Zoho Creatorで業務システム内製化 新サービスや法改正に迅速対応

2026年7月2日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 日産証券は、資産運用サービス「利回りファンド」の立ち上げに伴い、顧客情報管理やマイページなどの業務システムをローコード開発プラットフォーム「Zoho Creator」で内製開発した。6月30日、同プラットフォームを提供するゾーホージャパンが発表した。法改正やセキュリティ要件への柔軟な対応が求められる中、自社主導の開発・運用体制を構築し、コスト抑制と事業展開の迅速化につなげている。

 日産証券は、株式や投資信託、債券、デリバティブ取引、貴金属地金など幅広い金融商品を提供する証券会社である。同社は2023年、Web上で契約や取引が完結するオンライン資産運用サービス「利回りファンド」を開始した。同サービスは、企業への貸付で資金を運用する固定利回り商品で、中途解約や追加購入が可能な点が特徴だ。新サービスの立ち上げにあたり、顧客情報管理、お客様マイページ、口座開設ページなどの業務システムを新たに構築する必要があった。

 金融業界では法令改正やガイドライン改訂が継続的に発生するため、システム改修を外部ベンダーに委託すると時間やコストが増大し、スモールスタートでの事業展開の制約となる課題があった。そこで同社は、別部門で顧客管理の実績があったローコード開発ツールのZoho Creatorを採用し、事業担当者を中心とした少人数による内製開発を選択した。

 開発プロジェクトは、システム開発未経験の営業出身の事業担当者、入社直後のエンジニア、グループ内システム会社の支援要員の計3名体制で推進した。2023年初頭に開発を開始し、構築に約5カ月、金融当局との調整を含むテストに約2カ月を要し、約7カ月でシステムを完成させた。

 システムの安全性向上に向け、同ツールのカスタマーポータル機能を活用し、約1000人のユーザー向けに個別ログイン環境を構築した。これにより、画面の誤表示や情報漏えいのリスクを低減し、外部企業による侵入テストもクリアした。さらに、多要素認証やパスキー認証にも対応し、金融当局が求める認証基盤の強化に対応している。

 内製化で、システム改修コストの抑制と迅速な対応体制の確立につながった。2024年の金融商品取引法改正に伴い、クーリングオフ対応の顧客画面改修が必要となった際も、外部に依存せず迅速に対応した。また、お客様マイページは入力のしやすさなどが評価され、同サービスは初年度の目標顧客数と募集運用額を達成した。

 2026年には、新サービスとして貴金属地金の寄託サービス「ゴールド・バンキング」「プラチナ・バンキング」をリリースした。利回りファンドで構築したシステムを雛形として流用することで、開発効率を高めた。同社は、内製基盤を次のサービスへ転用する体制を整え、新たな金融サービスを迅速に展開するための事業プラットフォームとして同ツールを活用している。

 日産証券取締役ホールセール・オンライン事業本部長の平尾友亮氏は、同ツールによる業務システムの開発・運用内製化により、法改正や制度変更に迅速に対応できる体制を構築できたと述べた。新サービスの立ち上げにも活用しており、自社主導で継続的にサービス改善できる点が強みだという。今後は、向上する顧客の金融リテラシーやニーズを迅速に捉え、サービスに反映していく。

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