福山通運、400拠点の物流業務を効率化 承認時間7分の1に短縮

2026年5月19日11:52|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 福山通運は、ペーパーレス化と業務効率化を目的に、ジャストシステムのノーコードクラウドデータベース「JUST.DB」を採用した。5月19日、ジャストシステムが発表した。全国約400拠点の情報共有をリアルタイム化し、意思決定の迅速化と現場の機動力向上につなげる。すでに主要メンバー3人で3000人規模が利用する情報基盤を構築しており、フォークリフトの乗務承認にかかる時間を7分の1に短縮するなどの成果が出ている。

 福山通運は、全国約400の物流拠点を展開し、企業間物流を中心に貸切輸送や国際物流など多角的な事業を行っている。同社では、従来の紙ベースや手作業中心の運用が情報共有や業務のスピードアップを阻害していることが課題となっていた。中期経営計画(2024〜2026年度)でもDX推進を掲げる中、現場のアナログな運用を打破し、迅速かつ正確なデータ活用を実現するためのデジタル化対応が急務となっていた。

 ソリューションの選定にあたっては、2024年12月に検討を開始した。複数の製品を対象に約1カ月間のトライアルを実施し、使いやすさ、管理性、コスト面などを総合的に比較した。その結果、プログラミングの知識がなくても構築できる直感的でユーザーフレンドリーな操作性に加え、全国拠点での活用を想定した際に費用や保守コストを抑えられる同時ログインライセンスの料金体系が魅力となり、JUST.DBの採用を決めた。

 2025年2月に契約を締結し、4月からアプリケーションの利用を開始した。開発は情報システム部の主要メンバー3人が中心となり、内製で行った。従来の紙資料やExcelのやり方をそのまま再現するのではなく、デジタル化に適した形へ業務フローを見直しながら、段階的な導入とトライアル運用を実施した。週1回、ジャストシステムの担当者とWeb会議で画面を見ながら相談できるサポート体制を活用したことで、初期の試作は1カ月足らずで完了した。現場の課題解決に特化して開発したため、導入時の詳細な説明もほぼ不要だった。

 導入後は、営業やロジスティクスの案件管理、契約管理、日報、端末・備品管理など多岐にわたる業務アプリを展開している。特に2025年6月にリリースしたフォークリフト乗務上申アプリでは、従来は紙の回覧や安全管理部の押印により承認まで約1週間要していたプロセスが1日に短縮された。同年12月にはドライバー乗務上申アプリも開始し、月間数百件規模の申請処理を効率化している。これにより、技能を習得した社員が実稼働するまでのタイムラグを最小限に抑え、現場の機動力を高めている。

 また、営業活動の進捗管理でも効果があがっている。従来は全国400拠点から送られてくるExcelファイルを手作業で集計・加工していたため、本社の作業負荷が高く、状況も週次や月次でしか把握できなかった。JUST.DBへの集約後は、営業進捗がリアルタイムで可視化され、迅速な施策の共有が可能になった。集計作業から解放されたことで、現場の負担軽減や新たな気づきの創出にもつながっている。

 現在は約400拠点の約3000人がシステムを利用しており、他部署からも活用の要望が寄せられている。福山通運情報システム部部長の石川亮氏は、ノーコードのスピード感で試行錯誤やカスタマイズができることが変化のきっかけになっているとした上で、売上向上やコスト削減に貢献できるIT部門として、今後も活用のすそ野を広げていきたいと話している。同社は今後、申請業務などの対象範囲拡大や、現場主導でのアプリ構築を見据え、取り組みをさらに加速していく。

ニュースリリース