トランスコスモス、共通基盤構築で業務を全体最適化へ 年間6300時間の工数削減

2026年5月19日11:48|ニュースCaseHUB.News編集部
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 トランスコスモスは、業務の個別最適から全体最適への転換を図る共通基盤の構築を目的に、「SmartDB」を採用した。5月19日、SmartDBを提供するドリーム・アーツが発表した。年間約6300時間相当の工数削減とコスト削減を達成した。現在は約2200名が利用しており、今後はさらなる業務高度化や顧客体験(CX)の向上を目指す。

 トランスコスモスは、コスト最適化支援、デジタルマーケティング、コンタクトセンター、BPOなど多様なアウトソーシングサービスをグローバルに展開している。同社では顧客接点のデジタルトランスフォーメーション(DX)によるCX向上に注力しており、エンジニアリング統括本部テクノロジー第一統括部が業務全体の統一や最適化、仕組み化を推進し、現場がCX向上に集中できる環境づくりを支えてきた。

 しかし、同社のコンタクトセンター事業部門では事業の特性上、顧客や業界ごとに業務の個別最適化が進んでいた。そのためExcelや手作業を中心とした運用が常態化し、定期的な情報集約業務や申請・承認といったワークフロー業務が部門ごとに個別管理される課題があった。その結果、データの重複管理や類似業務が発生し、全社的な業務プロセスやデータの統合、可視化が困難な状況に陥っていた。

 また、基幹システムと連携して業務や人材、品質などの管理を担うマネジメントシステムは10年以上前にフルスクラッチで開発されたもので、システムの肥大化と複雑化によって柔軟性を欠き、現場の改善要望に対応できなくなっていた。さらにシステム管理部門でも運用保守に多くのリソースを要し、管理コストの増大が顕在化していた。こうした背景から同部門では、既存システムのクラウド移行とともに共通基盤の構築に着手し、2024年2月からSmartDBを本格導入した。

 製品の選定にあたっては、複数のワークフロー連携による業務間連動や部門横断での条件付き承認が可能な柔軟なワークフロー機能が、業務統合に適しているとして評価された。また、ノーコードで複雑な業務要件に対応でき、プロトタイプによる早期検証を通じて関係者の合意形成を図りながらアジャイルに構築や改善ができる迅速性と柔軟性もポイントとなった。さらに、組織や役割に応じた権限管理で部門横断の業務やデータを安全に一元管理でき、更新履歴などの証跡管理によりガバナンスを強化できる点や、標準機能のみで業務を再現できる汎用性、大企業での豊富な導入実績と大容量データを活用した業務事例の多さも採用の決め手となった。

 新基盤の導入により、現在は「品質総点検業務」をはじめ「契約書常備キット管理」や「検収書チェックシート」など複数の業務がデジタル化されている。これにより、年間約6300時間相当の工数削減と運用維持コストの削減という定量的な成果が出ている。定性的には、業務要件に応じたシステム制御と一元管理による不備やミスの抑止といった業務標準化が進んだほか、環境の変化に合わせて最適な運用フローへ変更できる柔軟な体制が整った。適切なアクセス制御と証跡管理による全社利用における統制の確保や、業務を最も把握している現場主導での業務改善も可能になるなど、組織面でも変化が生まれている。

 トランスコスモスは現在、全社的な業務基盤としてSmartDBの活用領域拡大を進めており、業務の統合や最適化、品質向上、統制強化、変化に迅速に対応できる体制強化に取り組んでいる。今後は蓄積されたデータの活用を広げるため、BIやAIの活用も視野に入れ、社内の他業務へ展開することでさらなる業務高度化とCX向上を目指す。

 トランスコスモスでプラットフォーム開発統括部などの統括部長を務める宮澤朋成氏は、SmartDBは単なるワークフローツールではなく、変化を前提とした大規模組織において業務とともに進化し続けられる運用基盤として十分な実力を備えていると評価する。今回の活用は個別業務の効率化にとどまらず、業務全体を俯瞰し再現性と統制を持って改善を進めるための基盤づくりと位置付けているという。ノーコードによる柔軟性も現場主導で業務を継続的に進化させていくうえで重要であり、今後はこの基盤を起点にデータ活用や業務高度化を進め、変化に強く持続的に価値を創出できる組織づくりにつなげていきたいとしている。

ニュースリリース