第一実業は、異なる部門や拠点間で分散管理されていた契約書を一元化し、契約条件を踏まえた迅速な意思決定とリスク低減を図るため、取引管理サービス「Contract One」を採用した。5月18日、Contract Oneを提供するSansanが発表した。全社員がクラウド上で横断的に契約書を検索・確認できる環境を整え、業務効率化や契約管理体制の強化につなげている。
第一実業は幅広い業界で事業を展開する総合機械商社であり、成長戦略「V2030」の一環としてデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している。業務効率化や新たな価値創出に向けた取り組みを進める中で、契約書についても、誰もがアクセスしやすく業務に活用しやすい体制の構築が求められていた。
同社ではこれまで、契約書の保管や期日管理は各部門に委ねられていたため、組織変更や人事異動に伴って契約書の所在を正確に把握することが難しい状況だった。契約書に迅速にアクセスできないことで、条件の把握不足による想定外の出費の発生や、契約期日に基づいた最適なタイミングでの更新交渉ができないといった課題を抱えていた。さらに、営業活動において過去の取引履歴や類似案件の契約条件を踏まえた提案が求められる際にも、情報の収集に時間を要していた。
Contract Oneの導入により、約4400件の契約書のデータ化に加え、基本契約書や代理店契約書とそれらに関連する契約書を紐付けて管理することが可能になった。全社員がクラウド上から横断的に検索できるようになったことで、従来は半日程度かかっていた検索時間が数分に短縮され、正確な契約条件の把握が実現した。
また、同サービスのアラート機能を活用し、期日が近づいた契約を担当者が漏れなく把握できる体制を構築した。設備のメンテナンスや継続的な商品供給といった長期契約において、更新時期を事前に把握することで余裕を持った条件交渉が可能となり、更新漏れによる機会損失の防止につながっている。
営業現場でのデータ活用も進んでいる。過去から現在締結中の契約書までをクラウド上で閲覧できるため、営業担当者が取引先への提案を行う際に顧客ごとの契約履歴や類似案件の契約条件を把握しやすくなった。これにより、商談の現場で最適な提案が行えるようになり、意思決定の迅速化に寄与している。
第一実業総務本部法務部の幸村洋希氏は、これまでは契約書が各部門や拠点ごとに管理されており、必要な情報の確認に手間がかかる場面があったと振り返る。また、過去に交渉の末に合意した条件という貴重な蓄積を活用しきれていない側面もあったという。サービス導入によって契約書の一元管理と可視化が進み、必要な情報へ迅速にアクセスできる環境が整ったことで、検索性の向上や過去の契約情報を参照した判断が可能になり、業務効率化や現場での活用が進んでいると評価する。今後は、これらのナレッジをもとに契約書レビューの共通指針を作成することや、SansanやCRMとの連携を通じて、契約情報と顧客情報を組み合わせたデータ活用を推進し、さらなる業務の高度化につなげていきたい考えだ。