かんぽ生命保険、法人営業の商談報告を50分から10分に 1200人がAIで入力

2026年10月6日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 かんぽ生命保険は、法人営業部門の全国約1200人を対象に、ベルフェイスのSalesforce入力エージェント「bellSalesAI」を導入した。10月2日、ベルフェイスが発表した。商談後の報告業務(活動結果と顧客カルテの作成)にかかる時間は、1件あたり約50分から約10分へと約80%短縮した。今後は、蓄積した商談データの分析や、SalesforceのAIエージェント基盤「Agentforce」の活用を検討する。

 保険営業では、正確なヒアリングとその記録が信頼の土台になる一方、記録業務が営業社員の時間を奪う。かんぽ生命保険の法人向け保険提案の営業部門でも、同じ課題があった。活動結果と、ヒアリングで得た情報を項目ごとに記録する顧客カルテの作成は、情報の蓄積に重要だが、訪問する社数に比例して営業社員の活動時間を圧迫していた。商談後の報告や活動記録が後回しになりやすく、まとめて記録する際に細部を思い出せず、質にばらつきも出ていた。

 こうした状況を変えるため、同社はbellSalesAIの導入を決めた。全国に拠点を持つ大規模な組織では、新しい施策に対し、現場から「負担が増えるのではないか」という反発が起きがちだ。そこで同社は、まずマネージャー自身に施策の意義を理解してもらうことを重視した。地域単位の営業部門管理者会議に本社の担当者が出席し、導入の背景や目的、目指す姿まで説明した。意義とツールの有用性を理解したマネージャーが推進し、現場への浸透はスムーズに進んだ。

 bellSalesAIは、商談の内容からSalesforceの入力項目をAIが自動で抽出・構造化する。営業社員は誤字脱字を直す程度で報告を完了でき、現場からは「報告業務が圧倒的に楽になった」との声が上がる。導入前は報告の質に人によるばらつきがあり、商談内容が十分に記録されないケースもあったが、導入後は記録が充実した。最終確認は営業社員自身が行う運用で、正確さが求められる保険営業でも、効率化と記録の質の向上を両立している。マネジメント側も商談の状況を把握しやすくなり、担当者や顧客の状況に応じた指導・フォローにつながっている。

 副次的な効果もある。Salesforceに活動計画を事前に登録しておけば、面談前にbellSalesAI上で選択するだけで記録が完了する。この運用を基本としたことで、従来は徹底できていなかった活動予定の入力の習慣が定着した。商談の内容に加え、行動予定までSalesforce上で把握できるようになった。ベルフェイスは、同社の業務フローと現場での使い方を踏まえ、他社の事例を交えた実装方法まで提案して定着を支えた。

 かんぽ生命保険は今後、お客さま本位の業務モデル「かんぽ価値提供モデル」の確立に向け、蓄積した商談データを分析する。成果につながる商談の進め方や、顧客のニーズの傾向を把握し、育成やマネジメントに生かして、経験や感覚に頼らず、データで営業活動を改善することを目指す。Agentforceの活用の検討も進めており、「商談データをSalesforceに蓄積し、AIで活用する」という段階的な営業DXの起点として、bellSalesAIの活用を深める。

 かんぽ生命保険営業DX開発部は「保険営業の価値は、お客さまと直接向き合う時間の中にあると考えている。その大切な時間が事務作業に圧迫されている状況を、本社として何とかしたいという思いが導入の原点だった。導入後、現場から『お客さまのことを考える時間が増えた』という声を聞けたことが、何よりの手応えだ」と話している。

ニュースリリース