晴れる屋、ECと店舗の会員・ポイントを連携 店頭受取は月1億円規模

2026年10月6日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 トレーディングカードゲーム(TCG)専門店を全国展開する晴れる屋は、リユースECサイトをオープンソースのECプラットフォーム「EC-CUBE」で運営している。実店舗のPOSと会員情報、ポイント、購買履歴を連携し、ECで注文した商品を店頭で受け取れる仕組みを整えた。開発元のイーシーキューブは10月2日、同社の導入事例とインタビューを公開した。店頭受取経由の流通額は月間約1億円規模に達している。

ジック:ザ・ギャザリング)の単一タイトルの専門店だったが、2021年にポケモンカードゲームとデュエル・マスターズの専門店を立ち上げた。2021年夏ごろに約40億円だった売上高は、前期(2026年4月期)に約164億円へ増え、今期(2027年4月期)は220億円を見込む。全社の売り上げは店舗が6、ECが4の比率で、通販単体でも約90億円規模を占める。

 TCGは、一般的な商材に比べて商品の管理が複雑だ。同じカードでも、言語は最大十数種類、傷の有無(状態ランク)、通常版かFoil(特殊な光沢)仕様か、ボーダーレスや別イラスト版かといったバリエーションが無数にある。新弾の発売ごとに、同じカード名で突然12種類に増えることも珍しくない。MTG関連だけで全社の在庫は約34億円、推定1000万枚に及ぶ。この膨大な在庫単位と独自のバリエーション設計は、一般的なSaaS型カートやASPの仕様に収まらなかった。

 同社は、創業初期の国産ASPカートとパッケージカートを経て、2019年ごろにEC-CUBEへ移行した。決め手は、データベース設計からUI/UXまで自由に手を入れられる拡張性だ。自社のカードデータベースの構造に合わせて商品マスタを拡張でき、新弾の発売に伴う仕様の変更にも対応できる。

 独自機能の一つが、外部ツールと連携したデッキ構築機能だ。プレイヤーがWeb上でデッキを考案・登録するツールを自社で開発し、EC-CUBEの商品データベースとAPIで連携した。ユーザーは画面上でデッキを組み、持っていないカードをそのままECカートに一括で入れて購入できる。大会の優勝デッキの検索機能も備え、購買の場にとどまらない情報ポータルの役割も果たす。サイトの利用者の約50%がパソコンからアクセスしている。

 買取業務でも連携が進む。月間500万枚規模のカードの査定を効率化するため、自社開発の画像認識カメラシステムを運用している。カメラにカードをかざすと、AIがカード名とエキスパンションを自動で判別し、買取データを作成してEC-CUBEに即時連動する。専門知識が浅いスタッフでも査定を担当できるようになった。在庫切れの商品に対する入荷通知は、どのカードに何人のリクエストが集まっているかを、仕入れ(買取)の優先度の設定に使っている。

 実店舗との連携では、2021年から店舗レジとEC-CUBEの会員・ポイントを統合した。EC-CUBEの会員マスタを正とし、マイページに表示される会員バーコードを店舗レジで読み取ることで、実店舗とECのポイントや購買履歴をリアルタイムに同期する。週末の大会で使うカードをECで注文し、当日に店頭で受け取って出場する文化も定着した。店頭受取経由の流通額は月間約1億円規模で、顧客生涯価値(LTV)の向上につながっている。

 現在は、EC-CUBEのエンタープライズ版へのリプレイスを進めている。オープンソースの利点を生かして高度なカスタマイズを重ねた結果、過去の仕様やドキュメントがブラックボックス化し、機能の追加や保守にリスクが伴うようになっていた。開発元のイーシーキューブが直接プロジェクトに入り、AIで既存のソースコードを解析して、修正の影響範囲を洗い出しながら進める。

 専務取締役コーポレート本部本部長の杉田拓也氏は「目指すのは、カードゲームを始めたい、続けたいと思ったときに、最後に行き着く場所だ。ECと店舗の両輪でコミュニティを広げ、市場そのものを育てるモデルを追求していく」と話している。

ニュースリリース