住友金属鉱山は、グループ会社を含む約7000名の人材マネジメント基盤として、統合人事システム「COMPANY」を採用した。3月31日、製品を提供するWHI Holdingsが発表した。人事領域における定型業務の自動化や効率化、ガバナンス強化を図るとともに、データドリブンな人的資本経営を推進する。
住友金属鉱山は「世界の非鉄リーダー」という長期ビジョンの実現に向け、人的資本経営を強化している。しかし、その基盤となる人材データは、人事、給与、勤怠、評価などの業務ごとに複数のシステムに分散して管理されていた。システム間の連携が不十分なため、手作業や紙による管理が残り、業務の属人化やプロセスの複雑化が課題となっていた。
また、自社の制度に合わせた個別最適のシステム開発を継続してきたことで、法改正や制度変更に伴う改修コストと工数が増大していた。こうした状況は、経営戦略と連動した機動的なデータ活用やDX推進を阻害する要因となっており、抜本的な解決策としてグループ統合人事システム基盤の構築を決定した。
COMPANYの採用にあたっては、大手企業特有の複雑な人事業務を追加開発なしに単一の製品群で完結できる点や、国内の大手企業や官公庁への豊富な導入実績を評価した。導入から運用、改善提案まで一貫したサポート体制が整っていることも決め手となった。
導入による効果として、まずは定型業務の効率化と標準化を見込む。これまで拠点や関係会社ごとに異なっていた業務プロセスを、約1200法人グループの実績に基づくベストプラクティスを用いて標準化する。システムを統合することで、申請から計算、分析までデータがシームレスに連携し、年末調整や育休関連申請、人事考課などの幅広い業務を自動化できる。従業員にとっても、各種申請の入り口が一つに集約されるため、利便性が向上する。
運用面のメリットも大きい。法改正や人事制度の改定があっても、追加開発を行わずに標準機能で対応できるため、長期的な運用コストを削減できる。ベンダーに依存せず自社で設定変更が可能なため、システム運用の内製化が進み、環境変化への迅速な対応とガバナンスの強化が図られる。
さらに、タレントマネジメントシステムを人事基幹システムと一体で利用することで、DX推進基盤を構築する。人事、給与、勤怠、評価が同一データベースで管理されるため、データの加工なしに最新の人的資本データをリアルタイムで可視化できる。多様性や人材流動性に関する指標もダッシュボード上で即座に確認可能だ。これにより、経営層や部門長が精緻なデータに基づき、最適な人材配置や育成計画、投資判断などの戦略的な意思決定を迅速に行える環境を整える。
住友金属鉱山の人事部は、これまでシステム連携不足により業務の属人化やデータ収集の負荷増大、法改正対応の遅延リスクといった課題が顕在化していたと指摘する。今後はデータの一元化を通じて意思決定を支える基盤を整備し、人事部門がより戦略的な業務へシフトできる体制づくりを推進していく。