センコーは、コアコンセプト・テクノロジー(CCT)によるプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)による支援を受け、物流業務の標準化と基幹システムの再構築を行う「業務標準化DXプロジェクト」を実施した。3月31日、CCTが発表した。現場ごとに最適化されブラックボックス化していた業務とシステムの可視化を進め、運用コストの削減と業務品質の向上を目指す。
センコーは、貨物自動車運送や倉庫、国際物流などを幅広く展開する総合物流企業だ。同社は2000年頃から、顧客ごとにカスタマイズした物流システム「ベストパートナーシステム(BPS)」を導入し、きめ細かなサービスを提供することで成長を遂げてきた。しかし、長年の個別対応の結果、システムが老朽化して最新のクラウド環境への移行が困難になったほか、拠点ごとに業務が属人化し、間接費が増大するといった課題に直面していた。
これらの課題を解決するため、同社は2020年にDX推進部を新設。300カ所を超える全事業所の業務を標準化し、共通のシステムで運用する全社的なプロジェクトを始動させた。プロジェクトは2021年から2026年までの5年間で完了させる計画だ。
システムの刷新にあたっては、長年現場で培われてきた独自のノウハウを維持しつつ、いかに標準化を進めるかが焦点となった。同社は、倉庫とトラック輸送の事業所をそれぞれ一つずつプロトタイプとして選定し、概念実証(PoC)を実施。その後、主要な40カ所の事業所へ展開し、最終的に全拠点へ広げる三段構えの戦略を採った。
CCTは、物流業務とシステム開発の両面に精通したプロフェッショナルとして、PMOの役割を担い、ハンズオンで支援した。具体的には、複雑化したプロジェクトの進捗や課題を定量的な情報に基づいて整理し、見える化と言語化を推進。センコー本体とシステム開発を担うセンコー情報システムの間に介在し、円滑なコミュニケーションを支援した。
導入の効果として、プロトタイプに選定した事業所では、約30存在した顧客個別のシステムを一つの共通システム上で稼働させることに成功した。また、CCTが現場の社員に寄り添い、同じ目線でヒアリングを行う伴走型の支援を継続したことで、現場の信頼を獲得。課題解決のスピードが向上し、プロジェクトの風土改革にもつながっている。

業務の標準化により、ヒューマンエラーの防止や事務負担の軽減も見込む。同社は、デジタル活用によって創出した時間を、顧客への提案やサービス品質の向上といった、熟練従業員の知見を活かした高度な業務へシフトさせる考えだ。
センコー事業政策推進本部DX推進部部長の𠮷田聡氏は、標準化によっていつでもどこでも誰でも業務ができる形にし、各自の負担を減らしたいと話す。仕事の質を変えることで、会社を支えてきた従業員も未来の若者も楽しく働ける世界を目指すとともに、世の中に貢献できる物流の仕組みを構築したいとしている。