足利銀行は、相続関連の手続きを支援するサービス「FinSnaviCloud」を採用した。5月18日、FinSnaviCloudを提供する富士通が発表した。栃木県内の高齢化率の上昇に伴う相続件数の増加への対応を強化することが目的だ。顧客の相続手続きにおける利便性を高めると同時に、相続事務の本部集中化による効率化とペーパーレス化を推進し、相続分野のデジタル化に貢献する。
日本は世界の中でも急速に高齢化が進行しており、相続手続きの案件数が増加する一方で、相続人の来店負担や金融機関での相続事務の属人化、負荷の増大などが社会的な課題となっている。足利銀行においても、今後のさらなる相続件数の増加を見込み、相続手続きの利便性向上と営業店の業務負荷軽減を目指して今回のシステム導入を決断した。
FinSnaviCloudは、金融機関向けの相続・終活支援クラウドサービスだ。手続きのデジタル化により、利用者の負担軽減と金融機関の業務効率化を実現する。FinSnaviCloudの導入により、足利銀行では相続手続きのデジタル化を進めるとともに、手続き事務の本部集中化を推進する。従来の営業店窓口や電話での対応に加え、新たにWebでの受付が可能になり、相続人は時間や場所に縛られることなく手続きを行えるようになる。
Webや窓口で受付をした後は、足利銀行の本部である相続センターにて各営業店の相続案件の事務作業を集約し、情報を一元管理する。システムに搭載されている手続きナビゲーション機能により、手続きに必要となる書類の選定をサポートするほか、戸籍謄本や遺言書などの公的書類のアップロードも端末上でデジタルに実施できるようになる。
また、相続案件ごとに案内内容や問い合わせの対応履歴、書類の送付と受領状況を時系列で把握できる仕組みを構築した。これにより、全営業店の案件状況をリアルタイムで把握しながら、効率的に相続事務を遂行できるようになる。顧客は非対面であっても対面と同等のサービスを受けることができ、足利銀行にとってはペーパーレス化による行員の負担軽減と手続き期間の短縮につながる。
足利銀行は従来から営業店における事務効率化と行員の負荷軽減に向けて事務業務の本部集中化を進めており、今回のシステム導入によって相続手続きに関する本部集中化率をこれまでの40%程度から70%以上に引き上げることを目指す。
今後はFinSnaviCloudのAI-OCR機能を活用し、戸籍謄本から相続関係説明図の生成を補助する機能や、生前相続のシミュレーション、エンディングノートの作成支援などの機能の活用も検討していく。足利銀行はめぶきフィナンシャルグループの一員として、同グループが目指す「地域とともにあゆむ価値創造グループ」の実現に向け、相続をはじめとするライフイベントに伴う手続きのデジタル化を進める。