三菱自動車工業は、グローバルサプライチェーンにおける在庫管理と輸送の最適化を推進するため、Shippioが提供する荷主向け貿易管理クラウド「Shippio Cargo」を導入した。6月15日、Shippioが発表した。洋上にある在庫のリアルタイムな輸送状況を正確に把握することで、現地在庫の適正化やデータ駆動型の物流管理体制の構築を目指す。
三菱自動車は世界各地に生産拠点を展開しており、自動車の主要部品を輸出して現地工場で組み立てるノックダウン(KD)部品生産を積極的に進めている。同社において自動車部品のサプライチェーンは事業の根幹を支える重要なインフラだが、近年の地政学リスクの高まりや物流の混乱への対応が課題となっていた。従来の管理手法から脱却し、サプライチェーン全体をデータで可視化・管理できる強靭な体制への刷新が急務だった。
こうした課題を解決するため、同社はグローバル規模でのサプライチェーン強靭化に向けてShippio Cargoの採用を決めた。主な目的は、KD部品の出荷から現地生産で使用されるまでの輸送・保管工程における部品ごとの在庫状況の一元管理と、自動蓄積される輸送実績データを基にした輸送リードタイムの最適化である。
選定にあたり、事前の検証において高い成果が得られたことが決め手となった。具体的には、船社データとの乖離を検証した結果、提示された到着予定日(ETA)が97.5%という精度で実際の到着日(ATA)と近似していることが実証された。独自のロジックとオペレーションにより、特定の船社や航路に偏らず安定した精度で情報が提供される点が評価された。また、出港予定日の28日前から本船の追跡が可能なオプション機能により、早期に遅延情報を取得して代船を手配するなどのリスク管理が行える点や、専門チームによる手厚い導入・技術サポート体制も採用を後押しした。
Shippio Cargoの導入により、これまで困難だった洋上在庫のリアルタイムな輸送状況の把握が可能になる。さらに、航路ごとの遅延傾向や実績データを分析することで、船社評価や起用航路の選定にもデータを活用できるようになる。
今後は、輸出入に関わる関連部署も巻き込み、Shippio Cargoの本船動静情報と品番やオーダー情報などの部品情報を連携させる。これにより、洋上在庫と国内外の在庫を一気通貫でリアルタイムに把握する「リアルタイムな部品在庫管理」の実現を目指し、グローバルサプライチェーン全体の最適化目指す。