福島県の総合建設業の小野中村は、大規模な民間工事で、現場サポートの建設業向けコミュニケーションツール「現場クラウド Conne」を活用している。発注者やコンサルタントとの協議から書類や図面の提出までをConneに集約し、会議資料の事前共有や変更図面の差し替えを効率化した。現在は民間工事の4現場で利用している。10月30日、現場サポートが導入事例として公開した。
小野中村は福島県相馬市を拠点に、土木・建築工事を中心に手がける総合建設業だ。これまでは公共工事の請負が中心で、発注者である行政に合わせて、受発注者間の情報共有システム「現場クラウド One」を数年にわたり使ってきた。
大規模な民間の土木工事と建築工事が動き出すにあたり、公共工事と同じように発注者とのやりとりを円滑にしたいと考えた。公共工事ではやりとりを可視化できていたが、民間工事にはその仕組みがなかった。社内だけで完結するツールでは、発注者とのやりとりが見えないという課題を解決できない。社内の別の現場で運用実績があったこと、現場クラウド Oneで実感していたサポートの速さ、現場ごとに契約して発注者やコンサルタントなど社外の関係者にもそのまま参加してもらえることが、複数の現場でConneを利用する決め手となった。
ある民間工事では、工事の内容とやりとりの相手に応じてスペースを四つに分けている。伐採工事、土木本体工事、発注者側のコンサルタントとのやりとり、発注者とコンサルタントを交えたやりとりの四つだ。書類を作るまでの相談や協議はスペースで行い、完成した提出書類や図面、発注者から受け取ったデータはドライブのフォルダに格納する。承諾関係や関係機関への提出物といった単位でフォルダを分け、どこに何があるかを誰でも分かるようにしている。
導入の効果として最も大きいのは、発注者やコンサルタントとのやりとりが円滑になったことだ。以前は履行報告書や打ち合わせ資料を会議当日に配っていたが、今は事前にConneに格納して確認を依頼するだけで済み、会議前の準備の手間が大きく減った。変更図面についても、変更箇所や差し替え箇所のやりとりをすべてConne上で行い、同じデータに最新版を重ねて更新する。どれが最新か分からなくなることがなく、作業員への周知もすぐにできるようになった。
現場のメンバーは40代から65歳までと幅広いが、導入時に現場サポートから使い方の説明を受けただけで、特別な研修なしに各自で使いこなしている。今後はスケジュール機能で工事の行事や会議の予定を管理することや、現場単位にとどまらず営業所単位で使い、所管するすべての工事の工程ややりとりを横断して把握することも視野に入れている。