エッサム、ファイルサーバーをDirectCloudで刷新 権限付与を自動化し脱PPAP

2026年11月2日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 エッサムは、データセンターに置いていたファイルサーバーを、ダイレクトクラウドの法人向けクラウドストレージ「DirectCloud」へ移行した。Microsoft Entra IDとの連携でアクセス権の付与を自動化し、パスワード付きZIPファイル送信(PPAP)の廃止も実現している。10月29日、ダイレクトクラウドが導入事例として公開した。

 エッサムは1963年の創業以来、会計事務所専用の事務用品を手がけ、全国の会計事務所の約9割と取引がある。財務・税務会計ソフト「e-PAP」の開発やOA機器の販売、貸会議室事業なども展開する。同社は「持たない資産」の方針のもと、オンプレミスで運用してきたサーバーを順次クラウドへ移している。

 きっかけの一つは、データセンター利用料の大幅な値上がりだ。電気代の高騰やハードウェア調達の難しさも重なり、オンプレミス環境の維持が負担になっていた。社内でActive Directoryを導入していないため、クラウドサービスごとのアカウント管理も課題だった。社員や取引先からはPPAPでの送付をやめてほしいという声も上がっていた。

 DirectCloudを含む3社のサービスを比較し、最終的な決め手として重視したのはユーザー数無制限の料金体系だった。ファイルサーバーの代わりに全社員が使うことを前提としていたため、ユーザー数で費用が変わらない点を重視した。最初に導入したクラウドサービスがMicrosoft 365だったことから、同社は今後Entra IDと連携できるサービスを選ぶ方針を定めていた。DirectCloudはEntra IDによるシングルサインオンと、組織情報に基づくアクセス権の付与に対応する。リンクによるファイル共有とアップロードリンクによる受け取りで、送付と受け取りの両方をDirectCloud上で完結できる点も選定理由になった。コスト面では、ハードウェアの償却費や保守費用、SIerへの委託費まで含めて比較し、従来のオンプレミス運用と大きく変わらない費用感で導入できたという。

 移行は、2名体制の情報システム室ではなく各部門に任せた。フォルダの第1・第2階層だけを旧ファイルサーバーと同じ構成に整え、各部門が3カ月の期限内に必要なファイルを見極めて移した。約4TBあったデータは約2TBまで整理され、旧ファイルサーバー停止後に「ファイルが見つからない」といった問い合わせが寄せられたのも1~2件程度にとどまった。

 導入後は、Entra IDの組織情報に基づいてアクセス権が自動で付与されるため、情報システム室による個別の付与作業がほぼ不要になった。誤って削除したファイルはユーザー自身で復元できる。取引先からのPPAP廃止の要望や、セキュリティチェックシートで問われるPPAPへの対応状況にも、リンク共有で応えられるようになった。社員の多くは「DirectCloudドライブ」を使い、従来のファイルサーバーと同じ感覚で操作している。

 今後は、Microsoft 365のOneDriveを今年度中に外部共有できない設定に変え、社外とのファイル共有をDirectCloudに一本化する予定だ。現在は情報システム室が依頼を受けてBIツールで資料を作成しているが、MCPサーバーとAIを組み合わせ、社員が自ら情報を引き出せる環境の実現にも関心を寄せる。まずは「DirectCloud AI」を管理者の範囲で試し、活用方法を検討する。

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