東芝テック、AIエージェントで店舗運営を支援 データ分析自律化で廃棄削減へ

2026年2月20日22:07|ニュースCaseHUB.News編集部
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 東芝テックは、アマゾンウェブサービス(AWS)の技術支援を受け、AIエージェントを活用した店舗運営支援ソリューションを開発した。2月20日、AWSが発表した。POSデータや在庫情報をAIが自律的に分析し、値引きや陳列変更などの具体的な施策を店員のスマートフォンへ即座に通知する。

 現代の小売業界では店舗運営の複雑さが増しており、売り場責任者は膨大なデータに基づいた迅速な意思決定を迫られている。しかし、多くの現場ではベテラン担当者の経験と勘に頼った運営が続いており、データの蓄積はあってもそれを読み解いて適切な対策を講じるには数年の現場経験が必要とされる点が課題だった。また、人手が限られる中でリアルタイムな状況変化に対応できず、売上の機会損失や廃棄ロスの発生を招いていた。

 今回開発したソリューションは、AIエージェントがバックグラウンドで24時間365日稼働し、POSデータやIoTセンサーのデータを継続的に監視する仕組みだ。売れ行きが平常時より鈍いといったシグナルを検知すると、AIが自律的にタスクを立案・実行し、適切な値引きのタイミングなどの推奨アクションを自動通知する。最大の特徴は、現場のベテランが持つ知見を自然言語で入力するだけで、ノーコードでAIエージェントを構築できる点にある。これにより、経験の浅いスタッフでもデータに基づいた高度な店舗運営が可能になる。

 システム基盤には、AWSの生成AIサービス「Amazon Bedrock」をはじめとするサーバーレスアーキテクチャを採用した。Amazon Bedrockのモデルとして「Claude 4.5 Sonnet」を活用し、自然言語による業務知識の理解やリアルタイムデータに対応したSQL生成を行う。また、エージェントプラットフォーム「Amazon Bedrock AgentCore」や、過去の対話を記憶する「AgentCore Memory」を組み合わせることで、担当者とのパーソナライズされた対話も実現している。

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AIエージェントによる店舗運営支援ソリューションのアーキテクチャ

 開発プロセスでは、AWSのサンプルソリューションを用いたワークショップやプロトタイピングプログラムを通じて検証を進めた。東芝テックの持つ小売業界の豊富な知見とAWSのクラウド技術を融合させることで、従来のAIチャットボットでは困難だった自律的な意思決定支援の具体化に至った。

 東芝テック執行役員リテール・ソリューション事業本部副事業本部長の石川尚氏は、「現場の課題解決に直結するAIエージェントを開発できたことは、ビジョン実現に向けた大きな一歩だ。小売現場の人手不足や業務の複雑化に対し、データドリブンな意思決定支援を提供することで、効率的で持続可能な店舗運営を実現する」としている。今後は、同ソリューションを通じて、経験に依存しない店舗運営の確立や在庫管理の最適化、廃棄ロスの削減による環境負荷の低減を目指す。

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