中国銀行、融資業務にAIエージェント活用 年間数万時間の業務削減へ

2026年2月26日00:23|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 中国銀行は、融資業務の自律化による抜本的な業務改革を目的に、日立製作所と共同でAIエージェントを活用した協創を開始した。2月25日、日立製作所が発表した。これまで人手に頼っていた業務プロセスの分析から判断、最適化までの一連の流れにAIエージェントを適用する。人とAIの協働により、将来的には年間数万時間規模の業務時間削減を目指す。

 岡山県や香川県などを主な経営基盤とする中国銀行は、少子高齢化に伴う人財リソースの不足という課題に直面している。こうした中、同行は2024年5月に「ちゅうぎんDX戦略」を策定し、グループ横断で業務プロセスの40%削減を目標に掲げた。一方、融資業務は専門知識やノウハウの継承が不可欠であるものの、書類確認などの人手による判断が中心で、業務負荷の増大や品質のばらつきが課題となっていた。

 中国銀行は2023年7月から、日立製作所の「金融機関向け融資DX推進サービス」を導入し、融資業務のデジタル化に取り組んできた。今回の協創では、さらに一歩踏み込み、多岐にわたる専門タスクを自律的に遂行するAIエージェントを同サービスに実装する。2026年1月からは、両社の実務担当者やAI専門家によるプロジェクトチームを結成し、実用化に向けた検証を開始している。

20260225_chyugoku.png
協創の概要

 検証では、特に人手による負荷が高い「担当者意見の作成」「融資実行の事務作業」「モニタリング時の財務分析」の3つのプロセスを起点に自律化を進める。たとえば、与信稟議の担当者意見作成では、AIエージェントが過去の膨大な知見を基に資金使途ごとのリスクや論点を整理し、書面作成を自律化する。これにより、検討漏れの防止や品質の標準化を図るとともに、AIの思考プロセスを可視化することで人財育成にもつなげる。

 システム構成としては、業務プロセスごとに全体を管理する「業務統括エージェント」を配置し、その配下で具体的な実務を行う複数の「実務エージェント」を連携させる。行内の構造化データだけでなく、事務マニュアルなどの非構造化データも活用することで、業務の精度向上を図る。この仕組みにより、初期段階でも年間10000時間以上の業務削減が見込まれる。

 今後は、渉外記録からの稟議書ドラフト自動作成など、AIエージェントの適用範囲を順次拡大していく。

ニュースリリース